スリル
スリル、嫌い
ジェットコースター お化け屋敷 嫌い
観覧車 メリーゴーランド 大好き
お金を払ってなぜ怖くならなくてはいけないのか…
寒い時期にわざわざ雪山でスキーなどするに似て?
スリル 嫌い!
飛べない翼
「才能は閉ざされて
永遠に飛べない翼を持った天使…」
そんなことを呟く、
俺は売れないミュージシャン。
そんなだから、
休日の公園のフリーマーケット
なんかをうろうろしてる。
古財布ばかり扱う店に来た。
マスタード色の小銭入れが目についた。
中を確かめる。
「…」一万円札が
折りたたまれて入ったままだ。
こんなことってあるんだ。興奮を押し隠し、
店主にこれ、と声を掛ける。
「ああ、10円」無言でやり取り。
店を遠く離れてから嬉しさを爆発させる。
「…よおお〜しっ!」
改めて中を見る。メモに、残金38円、ぶどう
とか書いてある。俺は一万円を無事散財し、
そんなメモの存在は忘れ去っていった。
またある日のフリーマーケット。
古財布の店。今度は、藍色の小銭入れが目につく。中を確かめる。
メモには、残金38円…。
店主がにやりと笑う。
ススキ
ススキ野原には
いつもなくした何かが落ちている
夢 希望 約束 指輪…
ELLEGARDENの「指輪」という曲は
秋にぴったりな喪失感のある曲
エルレには珍しく日本語詩の曲
聞いてみてね!
脳裏
その光景が脳裏に浮かぶ。
まるまるとした赤ん坊を抱き、
周りの拍手する人々に、
ありがとうありがとうと頭を下げる私。
上気する頬。
人々はさらに泣き叫ばんばかり。
と、赤ん坊は身をよじってのけぞり、
私の懐から抜け落ちた。
落ちたー照明がガチッと切り替わり、
真っ暗に。人々は無表情で立ち尽くす。
赤ちゃんは、赤ちゃんは何処⁈
私は足元を必死で探す。いない。いない。
そこで目が覚める。目尻に涙の後。
いないのです。私には初めから、
幸せなど。
あなたとわたし
何度でも
堕ちてゆく
あなたとわたし
とぢた円環の中で
醜い輪舞曲(ロンド)を踊りましょう
意味のないこと
意味のないことなのに
怖がることは
私を痛めつけたかつてのあなたはもう
存在しないし
私の前には現れないのに
削り取った歯の
神経の痛みのように
私はまだ恐怖している