たそがれ
黄昏時 夕暮れ 人生の盛りを過ぎた頃とも
私が十代、二十代の頃、今の私の歳の方は
おばちゃんだった。
おばちゃんはおばちゃんであり、
せいぜいテレビのワイドショーを見て
煎餅をかじる、くらいのイメージしか
なかった。
何かを成した、若しくは成している最中、
なんて思いもしなかった。
今の私は、どうなのだろう。
何を成して、何を成している最中で、これからは何を成すのだろう。
奇跡をもう一度
逢いたい人がいる。
徐々に、歩く道が分たれてしまった人。
突然に、引き裂かれてしまった人。
あの世に逝ってしまった人。
あの世に逝ってしまった人には、
もう少し待ってもらうとして、
勇気を出して、
逢える人には逢っておかないと。
コロナ禍のようなことがまた起こらないとは限らない。
縁は、結び直せるものかもしれない。
ぼくの仕事場は、擬人間を作る工場。
擬人間、その名の通り、人間を模した人間でないもの。現代ではいい働き手だ。
ぼくの仕事は、コンベアーで流れてくる
日によって違う、組み立て前の部品の検品。
といっても、
AIカメラがほぼしてくれる仕事の、補助。
人間のぼくが、A Iの補助。
なんだか笑けてくるね。
どこまでも白い工場内。一応窓、天窓なんておしゃれにあるけど、
切り取られた青は、ましかく。
等間隔に並ぶ、灰色の作業服のぼくら。
きっと明日も、その次の日も、
ぼくらはここにいて、なんならぼくの
次の世代のぼくらも、同じ作業を
しているんだろう。
ディストピアを絵に描いたら、
こんな感じなんだろうな。いや、
絵になんか描かなくてもいい。
ここはまさにそのものなんだから。
三浦大知さんのアルバム「球体」。
現代アートのような美しいアルバム
なのですが、
「静寂に包まれた部屋」と聞いて、
これは、と浮かんだ曲は「硝子壜」。
コロナ禍でYouTubeに
アーティストさんが、
「ステイホーム」のお供に、
とよくLive映像を投稿してくれたのですが、
三浦大知さんも、このアルバムのLive映像を
投稿してくださって、良く見ていました。
Live行きたいねえ…。
(取り止めなし)
別れ際に、で思い浮かんだのは
「刑事コロンボ」。
犯人と話して、別れ際に
「あともうひとつだけ…」と
犯人の緊張が緩んだところで、本質に迫る 質問を重ねる。
流石に刑事に聞かれたことはないが、
就活ではある。
「最後に、何かご質問はありませんか?」
というやつ。
ないわ!と思うが、そこはにこやかに、
「たくさんお話しさせていただいたので、
入社後のイメージができ、ますます御社で働きたいと感じました」
というのもベターらしい。
最後まで、何事も気が抜けないものですね。
ただの通り雨だよ、すぐ止むよ。
それが、こんなに尾を引くなんて。
人生何があるかわからない。
あれからぼくの心はずっと雨模様。
お日様は何処に行った?傘は役に立たない。
雨上がりの虹を探しに行こう