ぼくの仕事場は、擬人間を作る工場。
擬人間、その名の通り、人間を模した人間でないもの。現代ではいい働き手だ。
ぼくの仕事は、コンベアーで流れてくる
日によって違う、組み立て前の部品の検品。
といっても、
AIカメラがほぼしてくれる仕事の、補助。
人間のぼくが、A Iの補助。
なんだか笑けてくるね。
どこまでも白い工場内。一応窓、天窓なんておしゃれにあるけど、
切り取られた青は、ましかく。
等間隔に並ぶ、灰色の作業服のぼくら。
きっと明日も、その次の日も、
ぼくらはここにいて、なんならぼくの
次の世代のぼくらも、同じ作業を
しているんだろう。
ディストピアを絵に描いたら、
こんな感じなんだろうな。いや、
絵になんか描かなくてもいい。
ここはまさにそのものなんだから。
9/30/2023, 5:55:02 PM