ことり、

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9/18/2023, 11:25:03 AM

「夜の花畑もオツなもんねえ」
つい独りごつ。
夏の間だけ解放される花畑。忍び込んだ。
懐中電灯に照らされる向日葵。
時々人みたいでギョッとする。
遠くには灯りのついた高層ビル。
まだ頑張ってるんだね。
友達と来たかったが、
忍び込むというとみんな及び腰。
そりゃコンプラ的に大人的にグレー、
いや黒か。

夏も終わる。
最後にちょっとだけ、いいじゃない。

9/16/2023, 4:27:52 PM

脳天に沁み渡る滴(したた)り
二月の雨
穴の空いた黒い靴 意味を成さない黒い靴
侵入する雨 身体を満たす
どこにも行けない どこにも居れない
身体が重い 心が重い 想い

想いで満たされてる
言葉は吐かれるのを待っている
言葉で描かれるのを待っている
待っている
待っている…

9/16/2023, 5:13:17 AM

君からのLINEはいつもそっけない
何してる?元気?
そうなんだ
おもしろいね
そっか
じゃあまたね

顔文字もない
それなのに
来ると嬉しい
またちょうだいね

9/14/2023, 3:24:37 PM

おいていく
老いていく
置いて行く。

ことばを置いて行く
わざを置いて行く
きもちを置いて行く
れきしを置いて行く
かこを置いて行く
ちからを置いて行く
えいこうを置いて行く

そして
さいごに
いきをふっと
置いて逝く

9/14/2023, 3:20:11 PM

はじまりの音

壊れてゆく音がするね
いつも聞こえてた
祈りの声がするね
いつも聞こえてた
その音はいつも
ただ 始まらなかっただけ

壊れながら壊れながら
ぼくたちは始まろうとする
それはいつも聞こえてた
ただいつも動けなかった
震動に耐えられなくて
弾き飛ばされそうで

祈りながら祈りながら
夜明けの予感を半ば感じながら
それでも断ち切ることだけはしなかった
泥の庭の城はいつも崩れ落ちた
汚れた空気の
息苦しさだけ感じた
壊れる時を知っていた
答えはいつもそこにあった
痛みを伴いながら
答えはいつもそこにあった

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