花束を買った。
ただなんとなく、彼女に感謝を伝えたくて。
彼女の好きな黄色とピンクの花。
店員さんがメッセージカードもつけてくれた。
丁寧に彼女の名前を書いた。
帰り際、彼女の喜ぶ顔を思い浮かべると、足取りが軽かった。
喜んでくれる、きっと。
ゆっくり玄関の扉を開けた。
夕飯のシチューの匂いがふわっと広がった。
ブランコゆらゆら
母の影が伸びた
ブランコゆらゆら
夕陽が眩しい
ブランコゆらゆら
母の手を掴んだ
ブランコゆらゆら
母は独りで
ブランコゆらゆら
母は歩いた
ブランコゆらゆら
お家が遠いね
ブランコゆらゆら
わたしを置いて
ブランコゆらゆら
時間は進む
ブランコとまる
もう帰らなきゃ
優しさって分け合うものなのに。
時に偽善と言われ、時に利用される。
それは分けたパンの片方を振り落とされるような気持ちになる。
優しさを優しさで返すことがこんなにも程遠い、そんな世の中。
夢を見た。
あなたに会う夢。
私、幸せそうだった。
あなたの笑顔はすごく素敵だった。
夢を見た。
怒鳴りあう声。
私の頭を撫でながらあなた、寂しそうに笑ってた。
何度も聞いたよ、そのごめんねって声。
夢を見た。
あなたと二人きり。
どうしてお家に帰らないの?どうしてあなた、苦しそうなの?
夢を見た。
私とあなたの永遠のお別れ。
ねえ、二人きりでも私、楽しかったよ。
ねえ、置いていかないで。
ねえ…。
夢を見た。
…。
夢であってほしかったの。
孤独っていうのは感じ方次第で、心地よさもあれば、寂しくて仕方のないこともある。
心地よさを感じている時はまるで自分が波の一部になったような軽々しさと美しさがある。
だけど、少しでも不安を感じてしまったらそれは一気に荒波となり深く深く沈んでいく。
どっちに行ってもどこを見ても暗闇で、必死にあがけど息が続かなくなってゆく。
やがて海の底にたどり着く。でも、海の底ってなんだか少し安堵を覚える。もう沈まない、底に足をつける。
そんな時、きっと上を見上げたら美しい星々が散らばってまたたくのだ。
孤独を感じるのは生きている証拠。