Yushiki

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3/16/2024, 11:42:06 AM

『怖がり』


怖がりな僕は。

誰かと繋がりたいと心の内で叫びながら。

僕に差し伸ばされる手を。
怖々と待ち望んでいる。



2/1/2024, 10:25:22 PM

『ブランコ』


あの青く広大な空が
手が届くくらいに近くに感じた

目の前には夢と希望が溢れていて
いつの日が高く遠く
羽ばたいていけるような気がしてた

あの頃に
貴方がそうやって背中を強く押してくれていたから
僕は高い空を何の疑いもなく
届く場所にあると思えていたんだね

ありがとう

背中を押す手はもうないけど
今度は僕がこの足で
高く遠く
どこまでもこいで行くよ

1/4/2024, 1:09:34 PM

見目麗しいとか、裕福だとか、天才だとか。
そういうものに幸せがあるわけじゃなくて。

見目麗しいとか、裕福だとか、天才だとか。
そういうものがあってもなくても関係なくて。

幸せが必ずあることを。
どんなことが起きても信じ続けることができる。

そんな心の中に。
生まれるものなんじゃないのだろうか。



【幸せとは】

12/29/2023, 9:49:59 PM

 冬はコタツでみかん。
 我が家ではお決まりの光景だ。
 僕と君と三人の子供たち。
 人数が多いからスーパーで買ってもすぐに無くなる。
 食べ出すとついあともう一個と、誰もが手を伸ばしてしまう。


「今年はなかなかなくならないなぁ・・・・・・」


 子供たちが寝静まったあと、僕は一人でコタツに入り、みかんが積まれたカゴを見つめながら呟いた。

「いちばん食べてたのも君だったものね」

 みかんのカゴの隣で写真立てに収められた君が笑う。

 僕はそっとカゴからみかんを一個掴み、皮をむいてその一房を口に入れた。
 噛むと果汁が口に広がる。
 少し酸っぱいみかんだった。


『残念、貴方のはハズレだったみたいね』


 そう言って何だか勝ち誇ったように笑む君が脳裏に浮かぶ。僕がハズレを引くと、君は必ずその後に、自分が剥いた甘いみかんを半分お裾分けしてくれて、勿体ないからと、僕のハズレのみかんを半分食べてくれる。

「きっと丸々一個、酸っぱいのを食べたせいだ」

 だからこんなに涙が溢れてくるんだ。



【みかん】

12/20/2023, 4:41:41 AM

 胸の真ん中にぽっかりとした空虚感があるのに
 胸の奥には冷たくて苦しいほどの蟠りがある
 自分じゃどうしようもできない

 誰かの灯火に少しでもいいから
 あたりたい

 そうすれば冷たかった何かが
 溶けていくような気がする

 それは分かってるんだけど

 うまくできないから
 いつも寂しい



【寂しさ】

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