僕の背には生まれながらに白く大きな羽根がはえている。
けれどそれだけだ。
僕は生まれてから一度だってあの広い空へ飛び出したことがない。
僕の羽根は生まれながらに動かない。
つまりこの羽根はただの飾りだ。
飛べない翼に何の意味があるのだろう。
ずっとそう思っていたけれど。
ある日出会った小さな子供が言った。
「すごいね。こんな綺麗な羽根見たことない。また見に来てもいい? お兄ちゃんの羽根を見ていると、僕、すごく安心するんだ」
ある日出会った彼女が言った。
「あなたが飛んで行かないで、ずっとここに居てくれたから、私はあなたと出会えたの」
──ここに居てくれて、ありがとう。
そうか。
そうだったのか。
僕は僕のままでいいんだと、いつの間にか僕は飛べない翼を嘆くことをやめていた。
【飛べない翼】
何も考えずにぼーっとする
くり返し作業のようなゲームをしたり
何となく開いた動画サイトに没頭したり
それらはみんなただの暇潰し
きっとこれは意味がないこと
でもこの意味がないことが
私の人生には必要で
なくなってしまったら
きっとひどく生きることに疲れてしまうから
わたしは今日も
無意味な時間をちょっとだけ味わいながら
明日を迎える準備をする
【意味がないこと】
あなたとわたしは別の人
あなたにはあなたの考えが
わたしにはわたしの思いがある
あなたとわたし
別の人だから
傷付け合っては
辛くなってしまう時もあるけれど
あなたとわたし
別の人だったから
一緒にいる楽しさも温もりも
わかちあうことができたんだね
【あなたとわたし】
一筋の光すら、今の僕には眩し過ぎる。
【一筋の光】
鏡の中の自分さん
貴方から見る私はどう映っていますか?
私が見ている貴方という私より
貴方が見ているここにいる私が
生きている私のなかで
たぶんきっと
いちばん新しい私なのです
幸せそうですか?
苦労していそうですか?
とりあえず貴方と向き合った時は
私は笑顔を作ることにしています
【鏡の中の自分】