もう一度みんなと巡り会えたら。
そんな夢みたいなことが起こったら。
伝えたい言葉がいっぱいある。
ありがとう、ずっと一緒にいてくれて。
ごめんね、何も言わずに勝手にいなくなって。
でも、怒るかもしれないと分かっていても。
どうしても行かなきゃいけないと思ったんだ。
俺だってみんなを守りたかった。
自分がどうなってもいいなんて、そんな大層なことは思っていなかったけれど。
それでも、自分を懸けてもいいくらいには、みんなのことが大好きだったんだよ。
だから、さ。
小言は甘んじて受けるから。
まず最初にこれだけは言わせてよ。
『ただいま』ってさ。
【巡り会えたら】
君と出会えたことが僕の人生で起こった一度目の奇跡だとしたら。
君と出会ってから起こった全てのことが。
僕にとっては二度とない奇跡みたいなものだった。
もし、奇跡をもう一度と願っていいなら。
やっぱり僕は生まれ変わっても。
また君とこうして出会いたい。
【奇跡をもう一度】
「ねぇ、パパ。たそがれってなーに?」
「そうだなぁ~、僕たちを照らしてくれていた昼のお日様が、夜を連れてくる時間帯のことかな」
「お日様がお仕事をお月様に交代するの?」
「・・・・・・ん、まぁ、そういうことかな」
「それじゃあ今度たそがれの時間のお日様に会ったら、お疲れ様って言ってあげなきゃね」
そう告げる我が子はどこか決意したように頷くと、こちらの疲れが吹っ飛びそうなほどの眩い明るさで、ニカッと笑った。
【たそがれ】
きっと明日もいい日になるよ。
何てたって君の側には、いつだって私がいるんだもの。
だから、ほら。前を見て。
大丈夫。
ほんのちょっとの失敗くらい、一緒に笑い飛ばしてあげるから。
【きっと明日も】
ひとりぼっちは寂しいって。
たまにふとそんな気持ちが湧く時もあるけれど。
誰もいない私だけの空間に。
膝を抱えてぽつんと蹲りながら。
どこか冷めた静寂に包まれる時間が。
生きるためには私には必要で。
だからこの部屋は。
私にとってのひとつの居場所。
【静寂に包まれた部屋】