Yushiki

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2/7/2023, 12:02:58 PM

文字として形にするには。
いささか難しいこの感情を。
もう形にするのは諦めた。

しかたがないので。
君と触れ合うことで伝えていければと。
いまは胸の奥底にしまい込み。
解き放つのを待っている。



【どこにも書けないこと】

2/6/2023, 10:43:51 PM

カチカチと音を鳴らして動く時計の針は、目には見えない時間の流れが確かに進んでいることを教えてくれる。

時間は決して止まることはないし、戻ることもない。

あの後悔した時をやり直すことはできないし、後悔したまま止まることも許してはくれない。

進むしかない。ただ、それだけ。
それはなんて優しくて、なんて残酷なことなんだろう。

そんな世界の仕組みに思考を没頭させながら、僕は針が刻まれる音に静かに耳を澄ました。



【時計の針】

2/5/2023, 11:40:07 AM

君の笑顔に出会うたび、僕の心に花が開いた。
会うたびに増えていく花々は、たくさんの色彩と甘い香りで、僕を満たしていく。

いつか溢れた花弁が僕の内側に留め置けなくなってこぼれ落ちた時。
拾い集めたそれらを大きな花束にして。
君に贈るよ。



【溢れる気持ち】

2/5/2023, 12:30:50 AM

 恋人同士になったばかりの頃は、手を繋ぐだけでドキドキして、そのドキドキが楽しくて嬉しくて仕方がなかった。
 キスだって初めは軽く触れあうようなものだけで体温が上がって、でも回数を重ねるたびにもっともっとと欲張りになった。

 互いに見つめ合うのも、顔に貴方の指先が触れるのも、肩に貴方の手が置かれるのも、一緒に過ごす時間が長くなるたびに、当たり前なくらい身近なものになった。
 だから初めての時の恥ずかしさほどにはならないだろうと、思っていたのだけれど。

 純白のドレスに身を包んで受けた誓いのキスは、今までのどれとも違って、愛と幸福がいっぺんに降ってきたみたいで。

 愛しているよという感情が、唇に触れた熱を伝って証みたいに残ったから。
 もう我慢できなくなって。
 思わず照れてはにかんだ。



【Kiss】

2/3/2023, 11:08:31 PM

「勝負をしましょう」

 向かい合う彼女が不敵に笑った。
 彼女は両腕を広げて視線だけで眼下を示す。

「私とあなた。どちらがこの真っ黒な盤面により多くの優れた星々を生み出せるか」

 僕は大きな溜息をついた。

「無駄だよ。あちこちに銀河を作ったところで、どうせ星に住まわせた生物たちが互いに争うか、環境を破壊するかして消滅するのがオチだ」

 僕がそう意見を述べれば、ロマンが足りないなと彼女は腕を組んだ。

「まだやってもないのにわからないじゃない」
「先人たちはそれで失敗したろ。代替わりした僕らはその失敗から学ばないと」
「失敗したからもうやらないじゃなくて、どうしたらその失敗を活かせるかよ」
「なら、知能の低い生物たちが進化しないよう管理すれば、星が長続きするんじゃないか」
「嫌よ。そんなの創ったってつまらない」

 彼女は頑なに首を振った。組んでいた腕を解いて、僕を真っ直ぐに見つめる。

 大丈夫よ──。

 彼女が今度は柔らかに笑う。

「あなたと私が創った子たちなら、絶対に続いていくわ」

 1000年先も、その先も──。

 彼女の瞳の奥に確信めいた光が宿っている。こうなるともうこちらが何を言っても聞かないし、結局は僕が折れることになる。

「わかった。付き合うよ、その勝負」

 まあ、1000年だろうが、何億光年だろうが、君といれば退屈だけはしないだろうしね。



【1000年先も】

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