作品No.287【2025/01/12 テーマ:あの夢のつづきを】
あの夢の続きが見たい——そう思って二度寝しても、あの夢の続きは見られなくて。
こんな夢なんて見たくない——そう思って二度寝したら、同じ夢の再演だったり、同じ夢の続きだったりを見る羽目になって。
夢の続きなんて、うまいこといかないもんだよね。
作品No.286【2025/01/11 テーマ:あたたかいね】
「ルルの手、貸して!」
ベラが、そう言ってオレの手を摑む。
「あー、これこれ。やっぱりルルの手はあったかいねぇ」
ベラは、にへーっと幸せそうに笑っている。一方、俺の手は、ベラの冷たい手の温度を、ただ受け止めていた。
「ベラの手は、冷たいんだな」
「手洗ったばっかりだからねぇ。それにしても、ほんとあったかくて気持ちいいー」
「はいはい」
正直、作業の手が止まるので、早く放してほしかったが……あまりにも幸せそうにベラが笑うから、もう少しこのままでもいいか、と思うことにしたのだった。
作品No.285【2025/01/10 テーマ:未来への鍵】
私の中にも
きっと あるのだろう
未来へ踏み出す
扉の鍵が
でも
私にはそれを
使えそうにない
自分のことすら
自分で決めることに
逃げてしまう私だから
作品No.284【2025/01/09 テーマ:星のかけら】
星の形のかけらを集めて楽しんでいた、子どもの頃。〝星砂〟と呼ばれるそれが、小さな生き物の殻だと知ってなお、それを集めるのに夢中になった。
今はどうだろう。集めるのに夢中になるのか、それとも、ひどくばかげたことだとわらうのか。
砂浜のいたるところ、星のかけらが広がっている。
作品No.283【2025/01/08 テーマ:Ring Ring...】
リンリンと鳴る電話の音。ドキッとして出てみたけれど……期待していた相手じゃなかった。
こんな自分がバカみたいだと思うけれど、でも、ずっと待っている。諦められなくて、ずっとずっと。
きっと、あなたは忘れてしまったでしょうに。
電話が鳴る度に、あなたの声が聴きたいと願う。私一人が、置き去りのままで。