帰燕[Kien]

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1/12/2025, 2:55:42 PM

作品No.287【2025/01/12 テーマ:あの夢のつづきを】


 あの夢の続きが見たい——そう思って二度寝しても、あの夢の続きは見られなくて。
 こんな夢なんて見たくない——そう思って二度寝したら、同じ夢の再演だったり、同じ夢の続きだったりを見る羽目になって。
 夢の続きなんて、うまいこといかないもんだよね。

1/11/2025, 2:57:45 PM

作品No.286【2025/01/11 テーマ:あたたかいね】


「ルルの手、貸して!」
 ベラが、そう言ってオレの手を摑む。
「あー、これこれ。やっぱりルルの手はあったかいねぇ」
 ベラは、にへーっと幸せそうに笑っている。一方、俺の手は、ベラの冷たい手の温度を、ただ受け止めていた。
「ベラの手は、冷たいんだな」
「手洗ったばっかりだからねぇ。それにしても、ほんとあったかくて気持ちいいー」
「はいはい」
 正直、作業の手が止まるので、早く放してほしかったが……あまりにも幸せそうにベラが笑うから、もう少しこのままでもいいか、と思うことにしたのだった。

1/10/2025, 2:51:39 PM

作品No.285【2025/01/10 テーマ:未来への鍵】


私の中にも
きっと あるのだろう

未来へ踏み出す
扉の鍵が

でも

私にはそれを
使えそうにない

自分のことすら
自分で決めることに
逃げてしまう私だから

1/9/2025, 2:30:15 PM

作品No.284【2025/01/09 テーマ:星のかけら】


 星の形のかけらを集めて楽しんでいた、子どもの頃。〝星砂〟と呼ばれるそれが、小さな生き物の殻だと知ってなお、それを集めるのに夢中になった。
 今はどうだろう。集めるのに夢中になるのか、それとも、ひどくばかげたことだとわらうのか。
 砂浜のいたるところ、星のかけらが広がっている。

1/8/2025, 2:55:03 PM

作品No.283【2025/01/08 テーマ:Ring Ring...】


 リンリンと鳴る電話の音。ドキッとして出てみたけれど……期待していた相手じゃなかった。
 こんな自分がバカみたいだと思うけれど、でも、ずっと待っている。諦められなくて、ずっとずっと。
 きっと、あなたは忘れてしまったでしょうに。
 電話が鳴る度に、あなたの声が聴きたいと願う。私一人が、置き去りのままで。

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