作品No.282【2025/01/07 テーマ:追い風】
追い風だろうが向かい風だろうが、私にとっては変わらない。
走るの苦手なやつからしたら、風の向きなんか関係なく、結果は同じ、惨めなだけだ。
作品No.281【2025/01/06 テーマ:君と一緒に】
きみと一緒に歩いていけると思っていた。ずっとずっと、それは変わらないと信じていた。
それは、あっけなくうしなわれてしまったけれど。
それでも、私の中に、きみはあり続けている。
ずっとずっと、私はきみと一緒にいるのだ。
作品No.280【2025/01/05 テーマ:冬晴れ】
冬 のはずなんだけど
冬なら寒い はずなんだけど
晴れてると暑いのは
なんでなんでしょ?
作品No.279【2025/01/04 テーマ:幸せとは】
幸せってなんだろう
すきなものがあること?
あたたかくておいしいご飯が食べられること?
わからないけど
多分きっと
そばにありすぎて
当たり前すぎて
気付けていないんだろうな
作品No.278【2025/01/03 テーマ:日の出】
※半角丸括弧内はルビです。
イライラと、踵を踏み鳴らす。ヒールがぶつかり、カツカツ、カツカツ、音を立てる。隣に立っている馬場(ばば)がオロオロするが、どうでもよかった。
「ほんと、ばっかじゃないの?」
今日何度目になるかわからない言葉を放つ。馬場がさらに落ち着きをなくすが、構いやしない。
「天気予報くらい、確認しなさいよ。こっちは、わざわざ早起きして、メイクとか色々準備をして、ここにいるんですけど?」
「あ……えと、あの……」
しどろもどろで狼狽える馬場に、あたしはさらに苛立ちを募らせる。
初日の出を見に行こうと誘ってきたのは、馬場だった。あたしは数日前から天気予報を確認して、この辺りが曇りで、初日の出が見づらいことを知っていた。もちろん、それを馬場に伝えていた。でも、馬場は聞き入れなかった。
そして、結果は案の定だ。日の出は全然見えなかった。もう空は明るいが、分厚い雲が覆い隠しているのだ。このまま待っても、ご来光など拝めないことはわかりきっていた。
「もういい」
馬場から背を向けて、あたしは背後に停めていた車に乗り込む。
「ちょ、ちょっと、愛蘭(あいら)ちゃん、どこ行くの?」
オロオロするばかりで、全然頼りにならない——なんでこんな男と一緒にいるのか、いいかげんわからなくなっていた。
「初詣。言っとくけど、一人で行くから。ついてこないで」
言って、あたしは車のエンジンをかける。そして、その場から動かない馬場に、
「じゃーね」
とだけ声をぶつけて、車を発進させたのだった。