作品No.249【2024/12/05 テーマ:眠れないほど】
嬉しかったんだ。眠ることと引き換えに、なんでも望みを叶えられるようになったから。
しかしそれにも、二日で飽いた。いや、苦痛になった。
眠りたいのに眠れない。真夜中になっても目が冴える。どんな音や曲も、俺を眠らせてはくれなかった。
眠れない、ただそれだけのことが、こんなにも苦しいのに。俺は今日も眠れないまま夜を過ごす。
作品No.248【2024/12/04 テーマ:夢と現実】
目が覚めて
枕元に置いてた眼鏡やスマホを手に取って
眠気に支配されたまま
布団を出る
っていう夢を見たことがある
そういうときは
また同じことしなきゃいけないのかと
現実に落胆するんだ
作品No.247【2024/12/03 テーマ:さよならは言わないで】
「今日は、楽しかった」
そう言って微笑むきみに、僕は愛しさを募らせる。けれど、その後に続く言葉を察して、冷えていく心も感じていた。
「それじゃあ、帰るね。送ってくれて、ありがとう」
「あ……」
「さよなら」
言わせて、しまった。言わないでほしかったのに。ずっとずっと、僕の隣にいてほしいのに。
「またね、パパ」
きみが、手を振りながら、ペコリと頭を下げながら、僕から離れていく。僕は、それに応えるように手を振るしかなかった。
〝またね〟という、次を約束する言葉を残して去って行くその姿を、僕はただ見送るしかなかった。
作品No.246【2024/12/02 テーマ:光と闇の狭間で】
光と闇の狭間
黄昏の時間
その時間の空の色が
たまらなくすきだ
晴れた
真っ青で
眩しい空
も いいけど
夜が迫る
あの空の色の方が
惹きつけられる
思わず足を止めて
眺めてしまうくらいに
作品No.245【2024/12/01 テーマ:距離】
どこまでも遠い
縮まらない
だからこそ
それくらいが
ちょうどいいのかもしれない