帰燕[Kien]

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10/6/2024, 2:58:31 PM

作品No.189【2024/10/06 テーマ:過ぎた日を想う】


過ぎた日を想えば
根本的に変わっていない
自分に気付いて

またひとつ
自分に嫌気がさしていく

10/5/2024, 2:18:02 PM

作品No.188【2024/10/05 テーマ:星座】


星座ならやっぱり
蠍座がすき

自分の星座
って感じがするから

蠍座の女
なんて
有名な曲もあるし

そう 私は
蠍座の女

10/4/2024, 2:57:39 PM

作品No.187【2024/10/04 テーマ:踊りませんか?】


 彼が私に手を差し伸べるのを、私はただ眺めていた。
「何のつもりですか」
 抑揚のない低い声で問うたのに、彼は笑顔のままだ。そんな彼が恐ろしくなる。
「酷い言い草だなぁ。きみが蹲ってるのが見えたから、手を貸そうかと思っただけさ。別に下心なんてないよ」
「——そう、ですか」
 本当に、下心はないのかもしれない。こうして助けて、それをきっかけに私と恋仲になる——などと、きっと彼は考えていない。そもそも、私などと結ばれることは、彼にとって利点にはならないからだ。ただ、彼はきっと、あの場から逃げ出すために、たまたま目に入った私を助けに来たのだろうと思った。
 社交界の主役——であるがゆえに。
「ほら。立てないなら手を貸すよ?」
「お気遣いありがとうございます。ですが、結構です。自分で立てますから」
 彼の手を無視して立ち上がる。ここで彼の手を摑むのも、摑まないのも、どちらもまた私の評判を落とすだけだ。けれど、どうせ同じ評価なら摑まない方がいい。触れない方が、よほどいい。
「さすがは、冷徹の姫君だ」
 彼が、笑いながらそう言った。
 【冷徹の姫君】——私の通り名だ。社交界ですら、笑顔を見せない、にこやかに会話もしない、踊ることもしない——そんな私に付いた名だ。蔑称、といってもいいかもしれない。
「その呼び方は嫌いです」
「それは失礼。僕はかっこいいと思ったのだが、呼ばれる本人がそう言うなら、今後はやめるよ」
 笑顔を絶やさない彼は、なぜか私の近くを離れない。助ける必要は最早なくなったのだから、早くいるべき場所に戻ればいいのに、そうせずに私の後ろをついてくる。
「戻ったらどうです?」
 しびれを切らしてそう言うと、
「きみを見送ったら戻るよ。怪我をしているかもしれない姫君を一人にするなんて、僕の美学に反するからね」
と、何食わぬ顔で言う彼である。そんな美学、私に適用しないでほしいと思ったが、言わずに飲み込んだ。
「まぁでも——」
 後ろの足音が止む。私も思わず足を止めて、振り返った。
「きみが迷惑なら、僕にこれ以上近くにいてほしくないと思うなら、戻るとするよ」
 笑顔のままの彼の言葉が、なぜかひどく胸に刺さった。
「ああ、でも、戻る前に一つだけ」
 彼はそう言って、私に歩み寄ってきた。そして、耳元に顔を近付ける。
「次にお会いするときは、ぜひ僕と一曲踊りませんか?」
 そんな言葉を残して、彼は私から背を向けた。そのまま元来た道をゆっくりと引き返していく。
 何事も、なかったかのように。
「ダンスのお誘い——か」
 思わず独り言が口をついた。そうして、心が揺れている自分に気が付いてしまった。
 私の足は帰ることを忘れて、彼が戻って行った道をいつまでも見つめていた。

10/3/2024, 2:42:45 PM

作品No.186【2024/10/03 テーマ:巡り会えたら】


もしも巡り会えたら
私は多分
迷うことなくお迎えするんだろう

すきなモノとの出会いは
一期一会だから

10/2/2024, 2:23:58 PM

作品No.185【2024/10/02 テーマ:奇跡をもう一度】


奇跡 なんて
そうそう起きるものじゃない

たまたま上手く弾けただけ
たまたま指が滑らかに動けただけ

だから
「もう一回」なんて言わないで

あの奇跡はもう一度
起きるものではないのだから

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