帰燕[Kien]

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6/23/2024, 2:02:54 PM

作品No.84【2024/06/23 テーマ:子供の頃は】


こうなるはずじゃなかった

こんな
全然オトナじゃないオトナになんて
なりたくはなかった

子どものまま大きくなったような
こんな自分になんて

もっとステキなオトナになると
思っていた

6/22/2024, 2:57:26 PM

作品No.83【2024/06/22 テーマ:日常】


家から職場
職場から家

大体がその往復の繰り返し
大体がそういう日常

それでいい

そんなありきたりな日々でいい

6/21/2024, 2:44:39 PM

作品No.82【2024/06/21 テーマ:好きな色】


昔は
黄色が一番すきでした

すきな花の色が
黄色だったから

今は どうだろう

暗い青もすきだし
濃いピンクもすきだし
黒もすきだし

でも うん

今使ってるスマートフォン
黄色だし

やっぱり黄色が すきなのかもね

6/20/2024, 2:06:23 PM

作品No.81【2024/06/20 テーマ:あなたがいたから】


あなたがいたから
私がいる

そう わかってる
はずなのに

あなたのことを嫌っていく
私がいる

私がこの世に生まれたのも
私にこの名を付けてくれたのも

他ならぬ あなただ

それはもう
わかっているはずなのに

6/19/2024, 2:38:14 PM

作品No.80【2024/06/19 テーマ:相合傘】


 あの日は、ひどい雨だった。
 バスで、家の最寄りバス停に着いてすぐに、折りたたみ傘を拡げた。そんな私の横を、きみが走っていく。ワイシャツに、赤い細リボンに、紺色のスカート——私と同じ制服姿のきみは、傘もささずに道を渡ろうとしていた。
 どうしよう——と、逡巡する。
 きみの家は、私の家の二軒隣だ。そして、私ときみは、小学校からの同期という関係でもある。だからつまり、傘を差しかけるくらいはできる。しかし、私ときみは、そんなに仲がいいというか親しいわけではない。そんな私が、そうしてもいいのかと、躊躇った。
 やらないで後悔するくらいなら、やって後悔した方がいい——そのときの私は、そう決意した。それは、私には珍しいことだった。
 走り寄って、無言できみに傘を差しかける。人一人入るのがやっとな傘は、二人分の雨を防いでなんてくれないとわかっていたけれど、それでもその傘をきみに差しかけた。
 目が合ったきみが、何を言ったのか——今となっては思い出せない。「ありがとう」と、言われたのかもしれないが、思い出せない。
 あれから、十年以上の月日が流れた。
 もうきみは、この世にいないけれど。今でも私は、きみとの数少ない相合傘の記憶を思い出す。

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