ちいさい頃、本当に
赤色の糸で誰かと繋がってるんだと、
そう思ってた。
今はわかる。
赤い糸は目に見えるものじゃないんだってこと。
でもきっと
赤い糸はあるはずだ。
だってこんなに強く惹かれ合うのだから。

テスト終わり、
ひとり。
青の濃くなった夏らしい空に、
キャンバスに描かれたみたいな入道雲。
もくもくと空高く広がるそれは
溢れてとまらないあなたへの恋心みたいで
なんだか似てるな、と思った。

やけに元気な向日葵を背景に
木洩れ陽の下であなたと2人
サイダー味のアイスをかじって
他愛もない話をしていたら
どこかの家の風鈴が聞こえた
一気に涼しくなったねって
あなたは笑った

未来のことなんて知る方法はないし
もし知れるとしても
知らないままでいたい
君との日々は一日いちにち
たいせつに噛み締めて歩いていきたい

もっと素直に好きって言えたかな
もっと話しかけに行けたかな
なんて思うけど、
小さい頃の私がどれだけ積極的だったとしても
いまの私といまの貴方がいい。