『 空模様 』
1人で見る空も
誰かと見る空も
きっと
そんなに違いは無いけれど
泣きそうな夕焼けも
孤独な満月も
きっと
忘れてしまう時が来るけれど
いつか見た その空は
きっと
いつかの私に
そっと
語りかける
〝上手くいかなくたっていい〟
そんな筈はない。
時を費やし、努力した結果が、上手くいかなくたっていい訳ないのだ。
上手くいかなかった今を、無駄にするか糧にするかは、時が経たなければ分からない。
失敗や敗北から学ぶ事も沢山ある。
無駄にしたと思った事が、全く関係の無いところで役立つ事もある。
でも、〝上手くいかなくたっていい〟なんて言葉は、言って欲しく無いし言えない。
結果が全てじゃないのは、未来の自分であって、今の自分では無いのだ。
ゴスッ…ゴスッ…
けっこうな衝撃を頭部に感じて目を覚ました。
部屋はうっすらと明るくなっていた。
「うぅぅぅ〜…もう少しねむ…」
ゴスッ…ガブッ…
「痛ぁぁぁ〜」
最近、我が家の一員となった雌猫のララだ。
先輩猫のロロはヘソ天で爆睡中だ。
ララは食いしん坊でツンデレ。
お腹が空くと私の布団へ来て、スリスリゴロゴロ。
その後は頭突き、その後は甘噛み。
ここまでされると寝てなどいられないので、モッサリと起きる。
フローリングの床にヘソ天で寝ているロロを跨いで、トイレへ行き、顔を洗う。
猫達のごはんを用意して、猫達のトイレ掃除。
その頃にはロロも起きて来る。
ロロはオットリさんで甘えん坊。
ごはんよりも遊んでいたいタイプ。
暑がりなので、夏場はめったに布団へは来ない。
さて、毎日寝不足で愚痴も言いたくなるのだが、そんな毎日が嫌いではない。
お寺の鐘の音が、5時を告げた。
今日も平和な一日でありますように。
つまらないことでも
話をしよう
意味が無くたって良い
オチなんて無くたって良いから
つまらないことでも
話をしよう
君の事を知りたいから
「早く家に帰りたいよぉ」
母がかすれた声で言った。
「こればっかりは、自分じゃ決められないでねぇ」
療養型病院に入院して、1年が過ぎた。
白いだけの病室で、生命が少しづつ蒸発して行くように、母は小さくなって行った。
それでも、週に1回の面会では、休み休み1時間程、たわいもない会話をした。
我慢強く気丈な母だ。
最後には、いつも同じことを言った。
私も、同じことを答えた。
死なせてあげられなくてごめん。
心の中で謝った。