目が覚めると
最初に認識したものは年期の入った古い木製天井
そして、手にとったものは小型液晶端末
私はそれの電源をつけ、ロック画面に設定した推しの壁紙を眺めた
心が安らぐ幸せな一時
それから、やる気が出てきて学校に行く決心をつけて準備を始める
昔の私なら、目覚めることに意義を感じなくて
全てが嫌だったけど
今の私なら、きっとこの先も画面越しに確かにいる
あの人のおかげで全てを受け入れられる気がしてくる
毎日が愉しくなる
次にみるものが幸せであることを願って
私はまた、まぶたを閉じる
夏は嫌だな
暑いし、虫だって多いな蚊が特に鬱陶しいったらありゃしないよ。
あと、日焼けもするし僕は肌が赤くなっていたがゆくなるんだよ。
ほんと、夏のいいところなんて
でも、強いて云うのであれば、夏の暑い日、
君の汗ばんだ肌が日差しにさされて、
いや肌だけではないか、君自体が光ってみえるあの光景が他の季節よりもただかっこよく見えるってとこだけ
ただそれだけなんだ
あじさい
「ねえ、みてよあれ。きれいだね。」
帰り道、君が突然そう云うものだから何事かと思い
指差す方をみてみると
「ああ、あじさいか、確かにきれいだな。というかもうそんな時期か早いな。」
「一年ってあっという間だよね、瞬きの合間にとはこういう事なんだと改めて思ったよ。」
「だな。」
「…ねえ写真撮ろうよ、」
「かまわないけど、どうして急に?」
「ほら、僕たち今年で卒業だろ?だから、お前とお揃いの制服を着ている今、このあじさいと撮りたいんだこの時期最後の記念にさ。」
「、、そうだな。撮ろう。どのはなにしようか?」
「う~ん、あっこれにしよっ!」
「おお、青色かやっぱりきれいだな、」「ねー」
じゃあ撮るよー3 2 1
君といつか別れる、そんな日が来るのは考えただけで胸が苦しくなってくるけど
その時はまた会える日を信じて
わたしは
最悪
最悪だ
こんな顔誰にもみられたくなかったのに
誰にも
恥ずかしすぎて頭が痛い
視界が滲んできた
熱い暑い
あーもう嫌だ
ほんと最悪だ
梅雨の時期
「梅雨なんて嫌いだ。」
「どうして?」
「だって、空気はべたつくし、蒸し暑いしで気持ち悪いし、髪の毛がボンバーみたくひろがるんだよ。
くせっ毛の天敵だ!
君はいいよな、ストレートで年中サラサラじゃあないか。
ずるいぞ!」
「ずるいって、お前ねえ、、」
不貞腐れたような顔をしながらこちらをみる君は
何故か愛おしいと思えた
「…何笑ってるんだよ。」
「え?否、すまない。かわいいなと思って。」
無意識だったな
「、、は?」
「その髪型、結構似合ってると思うよ。」
「お前、笑いながら言っても説得力ねえって。」
、、ぷっっ
笑い声響く君と二人っきりの教室で、この気持ちはまだわからなくてもいいかなっと思った