「秘密の共有は心理的に距離を縮める」?
「意中のあの人とお近付きになれる」?
……なるほど。
***
ええ、ですから!
そう何度も確認しないでくださいまし!
わたくしは貴方をお慕いしていますの!
え、あ、はい……。
よろしくお願いいたしますわ……?
#52『二人だけの秘密』
どうしたら爛れた手のひらで
温かみを感じることができるだろう。
魅せられて炎、網膜に焼き付いた。
印象を深く深く落とした。
どんぐりを数個投げ込んで、
つられて自らさえ放り込んだ。
うまく握れないだろうから
代わりに書いて、消して。手渡して。
けれど熱さに慣れてしまっているから。
きっと勝手して、今度は帰ってこない。
#51『優しさだけで、きっと』
橙に藍、桜に鈍色のライトアップ。
下から照らしたら怖い顔。
横から照らしたら半分は裏の顔。
上から照らしたらおもしろい顔?
真正面だって顔は陰るよね。
じゃあキミの顔は発光してるのかも。
極彩色で。こう……ビームみたいに。
ふふっ、発光してるんだよ。
#50『カラフル』
のたうつ鞭。
差し向けた手が夕陽に透ける。
太陽すら見えなくなるガラス森で
掴んでしまったものを隠せずにいた。
#49『楽園』
こうも暗がりで寝てばかりいると、
自分というものが世界と隔絶され、
行き場なく、ただ浮いているように思える。
満足に物も考えられない鈍った頭。
足底を地につける事もないのだから、
このように感じてもヘンではない……はず。
部屋に空気がこもっている。
作務衣が肌に張り付いて気持ち悪い。
「夏のにおいって、汗臭が半分は占めてる」
……ああ、来た、春が。
不本意ながら今は神経質なんだ。
床鳴りが大きな振動のように伝わる。
そういえば、この音を
鳥の鳴き声に表した言葉があったような。
しかし、うるさい。
もう少し静かに歩いてくれないかな。
ほら、来た、春風。
#48『風に乗って』