こうも暗がりで寝てばかりいると、
自分というものが世界と隔絶され、
行き場なく、ただ浮いているように思える。
満足に物も考えられない鈍った頭。
足底を地につける事もないのだから、
このように感じてもヘンではない……はず。
部屋に空気がこもっている。
作務衣が肌に張り付いて気持ち悪い。
「夏のにおいって、汗臭が半分は占めてる」
……ああ、来た、春が。
不本意ながら今は神経質なんだ。
床鳴りが大きな振動のように伝わる。
そういえば、この音を
鳥の鳴き声に表した言葉があったような。
しかし、うるさい。
もう少し静かに歩いてくれないかな。
ほら、来た、春風。
#48『風に乗って』
4/29/2026, 2:48:44 PM