失われた響き
インフルエンザで学級閉鎖になった。
授業がないから、年休をもらって去年まで勤めていた学校の合唱コンクールに行くことにした。
今年は3年生。
3月に涙のお別れをした人たち。
きっときっと、去年よりもパワーアップした合唱が聴けると思っていた。
中学校生活最後の合唱コンクールに今までの気持ちや思い出をぶつけるんだと思っていた。
びっくりした。
何があった、、、?歌ったらクラスでいじめられるの?死ぬの?
虚しく響くピアノの旋律。
夏休みにいっぱい練習したのに、みんなが歌わなくて可哀想。
もう私の知ってる彼らじゃないんだな、と思った。
霜降る朝
露と霜
空気中には含むことのできる水蒸気の限度がある。
これは気温が高いほど、多くの水を水蒸気として含むことができて、気温が低いと含むことのできる水蒸気は少ない。
朝は気温が低いから、含むことのできる水蒸気が少なくなり、限度を超えた分が水滴として現れる。
これが朝霧だったり、朝露だったりする。
子どもに露の正体を尋ねると、雨と言ったりするが、本当は水蒸気が凝結したものだ。
霜となると、さらに水蒸気が水滴を超えて結晶化したものだ。
小学5年生の「モチモチの木」というお話で、主人公が霜のおりた地面を裸足で走り抜いて足の裏が血だらけになったという描写があったように覚えている。
霜のおりたカチカチの針のような地面は痛かったに違いない。たしかそれは倒れたお爺さんに助けを呼ぶための勇気ある行動だった気がする。
落ち葉の道
世界には小さな幸せしかない。
大きな幸せはないのだ。
小さな幸せの積み重ねを、大きな幸せと感じられるかどうかで、その人の生き方が問われていると思うのだ。
君が隠した鍵
小学生のとき、そろばんの習い事に自転車で通っていた。
当時、自転車に鍵をかける習慣がなかった。
そろばんのお稽古が終わって自転車置場に行くと、私の自転車に鍵がかかっており、自転車に乗れなくなっていた。
誰かが勝手に鍵をかけて、鍵をどこかにやったのだ。
私は歩いて家に帰る羽目になった。
予備の鍵で自転車のロックを解錠することはできたが、ショックが大きかった。
誰かが隠れてこっそり私が慌てている様子を見ていたかもしれないと思うと、気味が悪かった。
あれはどんな意図で誰がやったのだろう、今でも気味が悪い。