一輪のコスモス
母の祖母がなくなった日、玄関にコスモスが生けてあったらしい。
だから、母はコスモスが嫌いだと言う。
父の祖母がなくなった日は、黄色の花が生けてあったそうだ。
だから、父は黄色を嫌う。
子どもながらにその話を聞いてからは、コスモスや黄色の服を可愛いと大声で言いにくくなった。
両親の顔が陰り、気まずい雰囲気になるのが嫌だったからだ。
自然と避けてきたから、今でも自然と選ばない。
今日のお題でふとそんなことに気が付いた。
秋恋
読書の秋、スポーツの秋、恋する秋、みたいな?
もう、そんなどころじゃなかった。
もやもやもやもや、ぁーがんばったのに!
くやしい!けど、みんなやさしい!
わすれる!わすれないけど、明日から切り替える!
愛する、それ故に
娘:そんなに高いスーツいらないよ!
父:いや、これからずっと使うんだから買ってやる!
娘:パンプスなんて、履き潰すんだからしまむらで十分だよ!
父:いや、大人は足元でナメられたら終わりだ!
娘:スーツ用コートなんてなくていいよ!
父:いや、一枚持っておけば安心だ!
無駄なお金を使わせたくない娘と
親らしいところを見せたい父親
愛する故に傷つけ合う2人。
死ぬまでずっと続く思いやり合戦
静寂の中心で
とき刻む時計の針
燃える葉
近所の神社が2月に左義長をしていて、書き初めで書いた習字用紙を持っていった。
父はしめ飾りなどの正月の縁起物を持って行った。
神社の総代さんが焚き火の中に入れて、燃やしてくれた。
燃えカスが天高く舞うと、字がうまくなるというから期待して待っていたが、私の燃えカスは腰のたかさ程しかのぼらなかった。
帰ろうとしたところに、「お餅焼けたよ」と総代さんに引き留められた。
焚き火の落ち葉の中からアルミホイルに巻かれたお餅が出てくる。
汁に浸けて美味しくいただいた。
あれからもう左義長には行ってないな。
私は私で毎年正月に巫女舞いをしに行っている。
またその話は別の機会に。