遠くで鐘の音がする。
誰かが死んだ?
誰かが不幸になった?
他人の幸せも、不幸もどうでもいい。
どうせ、考えているのは自分のことだけ。
なあ。
そうなんだろ。
偽善者ども。
お母さんが恋しいなあ。
お外で、凍えるている時にお母さんは優しく私達を包んでくれたの。
他にも、毛づくろいをしてくれたりご飯を持ってきてくれたり。
私、お母さんといられるだけでよかったの。
でもある日、お母さんが帰ってこなかった。
とても寂しくて、怖くて意識を飛ばしてしまいそうになった時誰かが私を抱き上げてくれた。
それは今の飼い主さんだった。
今もとっても幸せだけど、やっぱりお母さんに会いたいの。
私は我儘なのかな。
この感覚が可笑しいって自分でも分かってる。
だって、ここは暖房の効いた室内なんだもの。
凍えるわけがない。
手が震えるわけがない。
でも、人前で話すとなるといつもこうなってしまう。
指先が冷たくなって、気道が狭まって、息ができなくなる。
私って、普通じゃないのかな。
どこかが壊れているのかな。
欠陥品で、いなくなってしまえばいいのかな。
生きづらいこの世界で。
私は凍える指先と共に。
誰も歩いていないところに足跡をつけたい。
僕はそう思って、小さな冒険を始めました。
お母さんに見つからないように、そおっとお部屋を抜け出して。
さあ、冒険の始まりだ。
行き先は決まっていた。
近所の丘だ。あそこなら、まだ誰も行っていないだろう。
小さな足でトテトテ進んでいくと、数分ぐらいで着きました。
思ったとおり、誰もきていないようです。
僕はワクワクした気持ちで、雪原に入って行きました。
これだから、冬は大好きなんだ。
どれだけ時間が経っても消えない。
消えない灯り。
それは何だと思いますか?
私にもよく分からないけれど。
どんなに時間が経っても消えないもの。
継承されていくもの。
一体、何なんでしょうね。