ティーカップ
彼女が紅茶を味わう度に、カップの底と皿の重なる音が響く。
私は沈黙に誘われるように、急いでティーカップに口をつける。
「そんなに急がなくても、私は逃げていかないわ。」
彼女は続ける。
「でも、私も紅茶に似ているわ。あなたは気付いているのかしら。」
私は飲み手を止めて耳を傾ける。
「早く召し上がらないと冷めてしまうわよ。」
紅茶も私の心も。
寂しくて
今すぐにでも飛び出して、あなたの全てを感じたい。
でも、自分の気持ちばかり伝えるのはエゴだよね。
感情的な自分と理性的な自分の狭間を往き来する。
だから、少しでも寂しさを感じないためにも、
こうやって文字を綴る。
無駄な試みだって分かってるのにね。
あなたは何を思って夜を過ごしているの。
心の境界線
そんなものないと思いませんか。
あなたが欲しい言葉をあたえたら、きっともっと欲しがらせてしまう。
抱きしめたとしても、その瞬間は一瞬。
境界線なんて、自分たちが勝手に作り出しているのではないでしょうか。
こうすれば、なくなるのでは?なんて考えても際限がない。
ないものを最初から作る必要なんてない。
土足で入りこんでやりましょう。
だって、踏み出したくてしょうがないんでしょ?
tiny love
季節の変わり目と言うのもあり、久し振りに風邪気味だ。
仕事は捗らないし、とにかく早く帰りたい。
そんな時に限って君は「今日、元気ないですね」なんて、いつも自分の様子を見ているかのような口調で言う。
ぬか喜びしてしまう自分がいる。
「熱はあるんですか?」
もうとっくに元気になったわ。って内心叫びたい。
あなたの気遣いが伝わったから、熱なんて忘れるくらい嬉しかった。
君と見上げる月🌙
僕は月なんかよりも、月灯りで照らされている、あなたの横顔をずっと眺めていたい。
そんな時間を独り占めすることができたら、どんなに幸せだろうか。