愛情とは?
僕は愛情というものがいまいちピンとこない。
お金で量っているのか、気持ちで量っているのか。
金や気持ちだと言うなら僕は愛情をたくさんかけられていたのだろう。
今までにかかったお金は計り知れない。
習い事、塾、お金のかかる私立の学校や大学費。
車やバイクの免許や愛車代もだしてもらった。
…どれも僕の欲しいものでは無かったけれど、たくさんのお金と両親が切望する進路を淡々と辿って来た。
殴られようと"愛情"の一貫なんだと。
信じていた。
【愛情】
僕と彼女の間に言葉はいらない、ただ…
ただ…君の声が聞けなくなるのは………。
一筋の涙を零した青年。
青年は透明な棺に色とりどりの花を敷き詰める。
彼女と花の隙間ができないように。丁寧に。
「やっと処理が終わって綺麗な''ガワ''になったね。君の瞳は何色がいいかな?
特注して宝石で目を作るのでも素敵だよね。
おやすみ。僕だけのお姫様。」
青年は彼女にキスをして棺の蓋を閉める。
【言葉はいらない、ただ・・・】
90点をとった。
かけっこは2位だった。
模試でも上位だよ?
……兄には負けるけど。
どうして
『お兄ちゃんはいつも100点だった。
かけっこも1位だった。
模試もお前よりいい成績だった!』
なんて、罵られなきゃいけないのだろうか。
頑張っても頑張っても、兄の背中を見るばかり。
【やるせない気持ち】
かけっこで1位を取った。
テストは毎回100点だった。
県内有数の頭の良い中学に入学した。
「教育費に何百万注ぎ込んだ。」
大学付属の有名な高校に入学した。
有名大学の家庭教師に見てもらっている。
有名医学部に在籍している。
「うちの息子が。」
【誇らしさ】
「よし!やっと外に出られる!」
そう思って僕は羽化したのに。
とてもじゃないけど鳴いていられない。
羽が焼けちゃうんじゃないか!?ってぐらい熱い。
折角外に出られたのに……。
次はたくさん…そとにで…………………。
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グシャッッ
【太陽】