嫌よ嫌よも好きの内
好きと嫌いは紙一重
蓼食う虫も好き好き
好き嫌いは誰にでもある
しかし
だからと言って
他の人の好きを否定しては
いけない
それは自身の考えであって
相手の考えではないから
もしかしたら
いつか
それが好きになるかもしれない
だからこそ
否定するには早すぎる
『好き嫌い』より
緑がより濃くなった今日この頃
日が登るのも早くなった
“ふぁぁぁ、おはよう”
お寝坊のあの子も
流石に二度寝は出来なかったようだ
“おはよう”
水を飲みに来たあの子のために少し体をずらす
俄かに賑やかになってきた
泉の中央では
鳥たちが水遊びし
他の動物たちは各々水を飲んだり
毛繕いをしている
朝日に照らされ
みな気持ちよさそうに
この時間を楽しんでいる
さぁ、今日も1日始まるぞ
これがこの森の始まり
『朝日のぬくもり』より
”もし過去に戻れるなら、
貴方ならどんな道を選択しますか?”
私なら
多分戻ってもおんなじ道に行くんだろうな
今までで沢山選択して
後悔もあったけど
結局は過去に戻っても
私はわたし
人や思考回路が変わるわけでもないから
選ぶ道は決まっている
分かれ道があったとしても
よく見るとそれは
ただの一本道
だからこそ
どんなに過去に戻っても
辿り着く場所は
きっとここなんだろう
『岐路』より
星降るこの夜
静寂に満ちた世界で
宙に近いこの場所で
2人肩を寄せ合い
最期を共に見届けよう
『世界の終わりに君と』より
狭い裏路地を早足で通り過ぎる
ここを抜ければ
あいつに会わなくてすむ
そう思い
歩む速度を更に速めた
あと少し
少し広げた空間に出る
今夜は満月
街灯がなくても
月に照らされ
進む道も見えやすい
空間の真ん中に人影を見つけ
足を止めた
せっかく撒いたと思ったのに
あいつはにやりと悪い笑みを浮かべ
“やぁ、また会ったね”
そう言った
『最悪』より