君は本当に残酷だね
君は事も無げに全てを赦してしまう
その度に僕は僕自身の心の狭さに辟易してしまう
君が輝けば輝くほど
僕は影から抜け出せなくなる
後ろめたい気持ちのことなんて
君は知らないんだろう
知らない君は
今日もまた僕に笑いかける
『優しくしないで』より
“あ、流れ星”
“どこどこ?”
“ほら、あそこ‼︎”
“見えないよ”
“ほら‼︎あそこだって、、、”
“、、、あ〜あ、消えちゃった”
“見たかったなぁ”
落ち込むわたしに、あの子は
“落ち込むなよ‼︎また探すから‼︎”
と励ましてくれた
“そういえば知ってるかい??”
“流れ星が流れている間に3回願い事をすると”
“その願いは叶うんだよ”
その声にわたしは振り向いた
後ろには男の人が立っていた
“そうなの⁉︎”
“そしたら次見つけたら絶対願い事する‼︎”
わたしたちはその話を聞いてすぐに宙を見上げた
あれから40年も歳月が流れ
わたしも彼もだいぶ歳をとった
流れ星に願いなんて、、、
なんて可愛いことをしていたんだろう
思い出すだけでクスッと笑ってしまう
願いなんて叶わないんだろうなぁと思いながら
わたしは今日も流れ星を探してる
『流れ星に願いを』より
“あー、てすてす”
“マイクテスト、マイクテスト”
“ゴホンッ”
“本日は晴天なり”
“私の心も晴天なり”
“あー、てすてす”
“マイクテスト、マイクテスト”
“終了”
誰もいない講堂にてマイクを置いた
『今日の心模様』より
世界には物が溢れかえっている
欲しいものも手に入りやすい時代
ひとつ満たされれば
また次も欲しくなる
次も
次も
次も
そして
溢れ返ったわたしの世界
欲しいもので満たされているはずなのに
なのに
何故か
虚しい気持ちが増えてくる
だんだんと
何が大切かも分からなくなる
溢れかえりすぎたこの世界
大切なひとつを見つけるため
わたしはもう
何もいらない
『何もいらない』より
桜吹雪の中
全てが散る
その中で
君も消えていく
それは夢現か
全ては近く遠く
儚く散っていく
それは泡沫の物語
でも
確かに君は笑っていた
『桜散る』より