『子供の頃の夢』
白馬に乗った王子様が現れて、颯爽と連れ去り、いつまでも幸せな毎日を送ることができる。
なんて、ずっとずっと夢見てた。
でも、現実はそんなことなくて、白馬に乗った王子様なんていないし、颯爽と連れ去ってくれるわけでもなく、、、。
幸せは、まぁ、好きな人と一緒になって、可愛い子どもたちにも出会えたのだから幸せなのだが、子供の頃に見た夢とは全然違うのが現実だ。
『どこにも行かないで』
目が覚めて隣を見れば、いつも気持ちよさそうに眠る彼の寝顔があった。
それを見ると、あぁ、今日も幸せな1日が始まると思ってた。
それが突然崩れ去った。
幸せだと思ってた昨日が、嘘みたいに崩れ去る。
幸福だと思ってたのは私だけだったみたい。
別れを告げられたのは、幸せな1日を終える夜。
彼は私に背を向けて、「ごめん」と言いながら、部屋から出ていった。
「どこにも行かないで。」
なんて言える暇もなく、彼は私の前から姿を消した。
朝目覚めると、彼の気持ちよさそうな寝顔はなく、冷たいシーツに涙が頬を伝った。
『好き、嫌い、』
道端に咲いている花を摘んで、花びら1枚1枚に好き、嫌い、と言っては花びらを落とす。
そんなおまじないが子どもの頃に流行った。
最後の1枚が『嫌い』だと、『好き』が出るまで何度もやり直した。
道端に咲いている花を見つけて、あの幼い頃を思い出して懐かしくなった。
『雨の香り、涙の跡』
雨の香りがすると、あの日のことを思い出す。
愛しくて、愛しくてたまらなかった君と別れた日のことを。
お互い嫌いになったわけじゃないけど、これからのことを考えると、ずっと一緒に居続けるのが難しかった。
あの頃、僕達はまだ若かった。
雨の香りがする日に、2人で決めた別れのはずなのに、お互い涙がとまらなくて、別々の方向を向いて歩き出す時には涙の跡がまだ残っていた。
雨の香りがすると、あの日のことを思い出す。
君も今でも思い出すのかな?雨の香りと、涙の跡を、、、。
『糸』
運命の人なんているのだろうか?
小指を見たところで、そこから糸なんて見えるものではないし。
たとえ、その糸が見えていたとしても相手に辿り着けるのにどれくらいの月日がかかるのかもわからない。
でも、それでも、いつか出会える縁のために、今日も、人と人とのつながりの糸を大切にしている。