花咲

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『どこにも行かないで』

目が覚めて隣を見れば、いつも気持ちよさそうに眠る彼の寝顔があった。
それを見ると、あぁ、今日も幸せな1日が始まると思ってた。

それが突然崩れ去った。

幸せだと思ってた昨日が、嘘みたいに崩れ去る。
幸福だと思ってたのは私だけだったみたい。

別れを告げられたのは、幸せな1日を終える夜。
彼は私に背を向けて、「ごめん」と言いながら、部屋から出ていった。

「どこにも行かないで。」

なんて言える暇もなく、彼は私の前から姿を消した。

朝目覚めると、彼の気持ちよさそうな寝顔はなく、冷たいシーツに涙が頬を伝った。

6/22/2025, 11:54:20 AM