病弱のアイツもう長くないだとか
明日は迎えられるか分からないらしい。
アイツは小さい頃から一緒に居るだけの友達。
俺はアイツを好きだけど
そんなこと言って困らせるのはしたくないから
俺はこのまま伝えずに終わると思う。
今日はずっと病室にいるつもりだ。
アイツはほぼずっと眠っていた。
日が落ちて空が暗くなる。
どうせならもっと一緒にいきたかったな。
なんてアイツの手を握って思ってしまった。
まだアイツは死んでいないのに。
そんなことを考えていたら夢を見た。
視界いっぱいに広がる星空を俺は見上げていた。
「アイツがもっと生きられますように」
なんて柄にもなく願っていた。
幾筋の流れ星が俺の視界を横切る。
夢だけど俺はこの綺麗な景色を忘れないと思う。
目が覚めた。
まだ日はあがっていなかった。
アイツは目を俺に向けて笑っていた。
もうすぐ夜が開ける。
いつかコイツに俺の気持ち伝えてやる。
そう思い俺もコイツに笑いかける。
2人を包む空気が静かな夜明けを迎えていた。
─────『静かな夜明け』
人の数だけ色んな感情があるってわかってるつもり。
生まれた場所も環境も違くて考え方が真逆でも
言語の壁も越えて
あなたと共に居たいって思ったの。
この真っ直ぐな言葉を伝えたって
届いていないかもしれないけど
それでも届いてくれたら良いななんて
都合よく思う。
まずは一緒にお互いのことを知っていきませんか?
私の事たくさん話すから
あなたも私に好きなこととか好きな物とか
たくさん教えて欲しいな。
─────『heart to heart』
永遠の花束を君にあげるよ
正確には生花じゃないから
枯れないし萎れないだけなんだけど。
君を笑顔にしたいから
君にプレゼントを渡す。
これで笑顔が見れるなら
僕は喜んでプレゼントを贈りたい。
─────『永遠の花束』
やさしくしないでよ
あなたに甘えてばっかりで
何も出来ない私が存在してしまうでしょ。
あなたがずっと私の隣にいるなんて保証
どこにもないんだから。
私に優しくしないで
私に甘え方を覚えさせないで。
─────『やさしくしないで』
アイツがくれた手紙は
私が見る前に隠されてしまった。
アイツ隠す場所は決まって同じだから
簡単なんだけどって思ってたら
今回はなかった。
アイツに直接聞いてみよ。
アイツは焦った顔をして
顔が真っ赤になっていた。
隠したのがバレて悔しいんだと思う。
今は手紙の内容は聞かないでおくね。
また今度隠した手紙見せて欲しいな。
─────『隠された手紙』