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病弱のアイツもう長くないだとか

明日は迎えられるか分からないらしい。

アイツは小さい頃から一緒に居るだけの友達。

俺はアイツを好きだけど

そんなこと言って困らせるのはしたくないから

俺はこのまま伝えずに終わると思う。

今日はずっと病室にいるつもりだ。

アイツはほぼずっと眠っていた。

日が落ちて空が暗くなる。

どうせならもっと一緒にいきたかったな。

なんてアイツの手を握って思ってしまった。

まだアイツは死んでいないのに。

そんなことを考えていたら夢を見た。

視界いっぱいに広がる星空を俺は見上げていた。

「アイツがもっと生きられますように」

なんて柄にもなく願っていた。

幾筋の流れ星が俺の視界を横切る。

夢だけど俺はこの綺麗な景色を忘れないと思う。

目が覚めた。

まだ日はあがっていなかった。

アイツは目を俺に向けて笑っていた。

もうすぐ夜が開ける。

いつかコイツに俺の気持ち伝えてやる。

そう思い俺もコイツに笑いかける。

2人を包む空気が静かな夜明けを迎えていた。





─────『静かな夜明け』

2/6/2025, 10:52:08 PM