途中で帰りたくなった僕はこの電車を降りようとした。
でもそれをアイツを許してはくれなかった。
この電車は地獄行き。
僕には何をした記憶も残っていないから
ここに行く理由が分からない。
「まだ旅の途中でしょう」
不気味に話すアイツは僕の腕を強く握った。
アイツの手跡がクッキリついた。
「覚えてないで済む話じゃないでしょう」
なんて僕を見る。
僕はぐるぐると思考を働かした。
でもやっぱり僕は
こうなっている理由が見つからなかった。
「まぁまだ旅の途中ですから
ゆっくり思い出しましょう」
ねっとりとその言葉が僕に絡みつく気がした。
僕の背中に冷たい汗が伝った。
早く終わってくれなんて思いながら
僕は座席に座らされた。
─────『旅の途中』
僕がまだ知らない君は
なんだか消えてしまいそうだと思った。
僕には彼女が大人に見えた。
まだ知らない君に僕はどう思うのだろう。
いつか僕にも教えてくれたらいいな
─────『まだ知らない君』
日陰に隠れて
アイツらから逃げる。
アイツらゾンビみたいだ。
一体どうなっているんだ。
君はずっと魂が抜けたみたいに
ぼーっとしていた。
こんな世界の中で大切な人を見つけるらしい。
見つかるといいななんて僕は思う。
そのために僕ら2人で生き残るんだ。
強くそう思った。
─────『日陰』
照れやな君はいつも帽子をかぶる
僕と目が合うのも恥ずかしいみたい。
少し目を合わせて見たら
帽子を深くかぶってる
でも耳は隠れてないし
赤くなってるのが見えてて
可愛いなって思う。
でもいつか帽子をとって
僕を見てくれたら嬉しいな
─────『帽子かぶって』
みんなの前に立って何かを発表するとか
苦手なんだよななんて思いながら
今までありがとうございましたと先生に伝えた。
2年の時に選択した授業で
3年になってやりたい事が変わってしまったけど
歌を聞いたりするのが好きだから
楽器を触る機会は卒業したらあまりないから
なんて理由で頑張ろうと音楽に取り組んだ
音楽最初のテストは歌のテストだった。
すぐ緊張して顔に熱が集まった。
近くでピアノの音がするのに
音に乗れてないし
声もマイク越しなのに小さかったけど
小さな勇気を持つキッカケだったと思う。
みんなの前で話すはまだまだ苦手だけど
小さな勇気を持つ私は頑張れると思うから
次も頑張って行きたいと思う。
─────『小さな勇気』