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8/23/2024, 10:18:25 PM

時々同じ夢を見る。

誰かわからない少女が海へ進む様子を

僕は見ていて手を伸ばすんだけど

彼女は手を取ることはなく

振り返って僕を見て笑うんだ。

そして彼女を包むような高い波が来て

彼女は消えるこんな夢を見る。

でも僕はこの少女を知らない。

この経験はしたことが無いから

過去のトラウマを見ているわけじゃない。

誰が海へ進む彼女を止めることができるのだろう





─────『海へ』

8/22/2024, 11:41:24 PM

「もう何回言ったらやってくれるの?
くつ下は裏返しにしないでって」

ママはいつも僕にそう言って怒る。

でもママは僕に甘いんだ。

「くつ下くまさんだ。かわいいね。」

僕がそう言うとママは少し笑うんだ。

でもはやく直さないと。

本当に怒られてしまうかもしれないし

許されなくなっちゃうかもしれないから。

僕も怒られるけどパパもママに怒られてるんだ。

「くつ下裏返しなんだけど」

僕とパパは似てるのかもしれない。

僕もパパもママに怒られないように

一緒に直していこう。

そう約束をした僕とパパ





─────『裏返し』

8/21/2024, 11:00:18 PM

鳥のように好きなとこにいたい。

誰かが近づいたら飛んで

仲間なら隣に並んで

ぼーっとしようよ。

鳥のように自由になれたなら





─────『鳥のように』

8/20/2024, 10:24:54 PM

さよならを言う前に

そんなに優しい顔をしないで欲しい。

わざわざさよならを言うなんて

あなたぐらいしかいないんじゃない?

どんな言葉を言ってもあなたは笑顔だから

あなたの事が分からないわ。

さよならを言う前に

もっと貴方を知りたいと思った。




─────『さよならを言う前に』

8/20/2024, 12:01:29 AM

今日の空模様は良くない。

今日の私はついてなかった。

朝は寝坊するし

スマホの充電出来てなかったし

つまづいて膝怪我するし

今日早く帰ってしまおう

そう思うのがもう少し早ければ

こんな路地裏で人ひとりの最期の瞬間を見るのも

なかったに違いない。

今頃ホントだったら

朝からの不幸を忘れて

おいしい夕飯を食べているくらいだろうか

そう思いを馳せる辺りに血の匂いが広がる。

思わず手で口を覆った。

ここは音を立てずにその場を離れるのが吉。

そう思った私は急いで元の道を戻った。

変な人影を見たからって路地裏にはいったのは

今日一番の間違えだった。

途中小石を蹴ってしまったが

変に振り向くと顔がバレる。

今にも雨が降りそうな空模様のおかげで

暗くなっているのはせめてもの救いだった。

早く交番に行こう。

今見た光景が嘘かもしれないが

それが嘘でも一応確認したかった。

私は1人の最期を見てしまったのか。

あぁ今日の私はほんとついてない。





─────『空模様』

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