今日の空模様は良くない。
今日の私はついてなかった。
朝は寝坊するし
スマホの充電出来てなかったし
つまづいて膝怪我するし
今日早く帰ってしまおう
そう思うのがもう少し早ければ
こんな路地裏で人ひとりの最期の瞬間を見るのも
なかったに違いない。
今頃ホントだったら
朝からの不幸を忘れて
おいしい夕飯を食べているくらいだろうか
そう思いを馳せる辺りに血の匂いが広がる。
思わず手で口を覆った。
ここは音を立てずにその場を離れるのが吉。
そう思った私は急いで元の道を戻った。
変な人影を見たからって路地裏にはいったのは
今日一番の間違えだった。
途中小石を蹴ってしまったが
変に振り向くと顔がバレる。
今にも雨が降りそうな空模様のおかげで
暗くなっているのはせめてもの救いだった。
早く交番に行こう。
今見た光景が嘘かもしれないが
それが嘘でも一応確認したかった。
私は1人の最期を見てしまったのか。
あぁ今日の私はほんとついてない。
─────『空模様』
8/20/2024, 12:01:29 AM