気になるあの子とお出かけなのに
木枯らしふいてる外で待ち合わせ。
あの子を待たせることなんてしたくないから
5分前から外であの子を待ってる。
あの子にカッコイイって思われたらいいなって
せっかくセットした髪型が崩れた。
あの子にボサボサの髪で嫌がられたらどうしよう。
今日は木枯らしふいて寒いから
あの子との距離縮められたり出来たらいいな。
─────『木枯らし』
昼休み終わりの鐘がなる。
先生の声が遠のく
視界が狭くなる
頭がカクンと下に落ちた時
私は外を見た。
外側の席には
雑誌の表紙を飾るくらい絵になる彼がいた。
羨ましくなるほどの綺麗な手
くるんとしたまつ毛
よく手入れされた髪
ここにいるどの女子よりも美しくて綺麗だった
そのあとはずっと金がなる五分前まで彼を見ていた
今日も彼を見れるといいな
─────『美しい』
この世界は嘘で塗れた。
2XXX年
皆真実を求めなくなった。
伝えたれた真実が
嘘に変わっているかもしれないからだ。
いつの間にか私は人の顔を見ることは無くなった。
「嘘」と書かれた張り紙が
貼ってあるように見えるからだ。
毎日流れるニュース。
国の偉い人たちの声が私の耳にも入ってくる。
嘘にまみれている世界に何を求めているのか
私にはさっぱり分からない。
信じられるのは遺書だけなのに。
─────『この世界は』
どうして泣くの?
どうして悲しんでるの?
どうして?
行動しなかったのは自分だよ?
過去を悔やんでるの?
なんで?
そんな行動をしたのは自分だよ?
君を見守る役を命じられた僕は
一切君のことが理解できない。
─────『どうして』
もしも私が男で
君と仲良しな友達という関係の夢を見れたなら
ずっと夢を見ていたいと思ってしまうんだろうな。
私の性別は女で私は女の子を好きだ。
いつも一緒に居てくれる女の子が好きなんだと思う。
他の人に向ける感情が貴方とは違うから。
でもそんなことあの子には言えない。
今は多様性を認める世界だけど
全員が認めてるわけじゃないから。
私は怖いんだ。
私があなたに向ける感情が恋だと知った時
あなたが私に向ける感情が拒絶してしまう
可能性があるなら私は言えない。
もしも私が男ならこの感情を持っていても
良かったのに現実に夢を持てない今
私は妄想でしか夢を見れない
夢のように上手く行けるなら
私は夢をずっと見ていたい
─────『夢を見ていたい』