「サンタさんに何欲しいか書いた?」
2人の小さな子どもたちが元気よ返事をした。
「「うん!」」
「そのお手紙ママとパパが届けるから、
渡してくれる?」
嬉しそうな顔でニコニコしながら私に渡して
2人は遊びはじめた。
その日の夜
子供が寝静まったあと私と彼で
子供たちの欲しいものを確認する。
やっぱり覚えたての平仮名の解読は難しい。
2人で頭を悩ませながらしっかり読んだ。
長男は仮面ライダーのベルト
長女はクマのぬいぐるみが欲しいみたい。
しっかり読めて良かった。
サンタさんからプレゼント届くといいね。
─────『プレゼント』
お風呂のドア開けてびっくりした。
いつもは見ないゆずがあったから。
「お母さーんこれ何ー?」
「あぁゆずだよ。今日安くなってたから買ったのよ。
冬のゆずと言ったらお風呂に入れるでしょ?」
いつもは入浴剤入れて入ってるけど
今日はゆず。
しっかりゆずの香りがしてて
リラックス出来たと思う。
冬になったらゆず入れてみるのもいいね。
─────『ゆずの香り』
私たちの上には必ず空があって
大空が私たちを見守ってくれている
たまに泣いている時もあるけど
今日は元気みたいだね。
大空さん
今日も私たちを見守ってね。
─────『大空』
ウェディングベルの音が村中に響きわたっていた。
幸せな音がする。
街の人は皆笑顔でお祝いをしていた。
私は笑顔を取り繕ったけど
しっかりできていたのだろうか。
ウェディングドレスを着ている女性は
この中の誰よりも輝いていて
タキシードを着た君は
誰よりも凛としてかっこよかった。
私はそんな君が昔から大好きだった。
君に好きな人がいること知ってたし応援もした手前
私が告白する選択肢は選んじゃいけなかった。
ウェディングベルの音が町中に響き渡った時
2人が誓いのキスをした時
2人が側にいて話してる時
2人に好きが見えて愛もみえて
いつまでもこの気持ちこの片想いを
終わらせないといけないことを感じた。
2人のなかに笑顔が途切れませんように
末永くお幸せに!!
─────『ベルの音』
寂しさをテーマに物語を書け?
それじゃあ私が描きたいものと違うよ!
私は明るい話しか書かないの。
それは書かないんじゃなくて書けないんでしょ?
何それ、意味わかんない。
私はそう言って外に飛び出した。
私は書けないんじゃなくて書かないだけだから。
寂しさなんて私の本に載せたくないの。
─────『寂しさ』