ここは世界の端、終点だ。
なんの色もないここは酷く寂しく感じた。
空は灰色の雲が分厚くかかっていた。
なぜ僕はここにいるのだろう。
どうやってここに来たのだろう。
なんのためにここに来たのだろう。
戻ることは出来ないのだろうか。
見渡してみても何も無い。
障害物が無いここは遠くまで見えるせいか
どこまでもこの景色が広がっているように感じた。
あぁ、世界の終点で僕も終わってしまうのだろうか。
─────『終点』
「めしあがれ!!」
ニコニコ笑う小さな君が好き
「ママにね教えて貰ってね作ったよ!!」
そう言って娘が作ったクッキーを彼女が机に置いた。
「ちょっと焦げちゃった」
彼女は娘に聞こえないように小声でそう呟いたけど
娘はすごく笑顔で僕が食べるのを待ってる。
食べてみると確かに少し焦げていて完璧とは
言えないけど
僕はとても嬉しいかった。
僕のために作ってくれたことが
上手くいかなくたっていい
気持ちが嬉しいから
─────『上手くいかなくたっていい』
蝶よ花よと私を育ててくれた家族
可愛がってくれる家族
でも私に新しいチャレンジはさせてくれなかった。
彼と出会った。
彼は私を連れて色んなところを連れていってくれた。
家族とは違って新しいことを教えてくれた
蝶よ花よと育ててくれた家族も好きだけど
色んなチャレンジをさせてくれる彼も大好きだ
─────『蝶よ花よ』
学校でイケメンと言われる彼と
学校で美人と言われる彼女が結ばれることなんて
最初から決まってた。
だから告白するのを辞めた。
あの人のことだから
断る時もきっと優しいんだと思う。
隣のクラスの子が学校で
有名になった美男美女カップルに告白したらしい。
結論から言うと断られていた。
こうなることも最初から決まってた。
隣のクラスの子は悲しむどころか
笑顔でその言葉を受け止めたらしい。
あの子は強い私はそう思った。
でも私は見てしまった。
空き教室で一人でいる姿を。
太陽の光に当たって
光っていた涙が私の心を締め付けた。
あの子は強い訳じゃない。
強がっていただけだった。
振られるのも最初から決まっているのを知って
それでも告って1人で泣くなんて
強がっていてもかっこよく見えた。
今日見たことは誰にも話していけないと
そう思った。
─────『最初から決まってた』
太陽が私を照りつける
まるでアスファルトが
フライパンみたいに熱を反射して
上からも下からも熱が肌に当たって
私の肌を焼く
汗が出る
蝉の声が聞こえる
夏を感じてなんだかもっと暑くなった気がした。
─────『太陽』