彼と離れてから数日たった。
彼は海外に行ってしまって
すぐに会いに行くことが出来なくなった。
彼に届くはずのない紙飛行機を作って飛ばしてみる
遠くの空へあなたに届くように
離れていても気持ちは変わらないけど
寂しくなるから
あなたの帰りを待っています。
─────『遠くの空へ』
言葉にできない時
私は文で手紙で伝えたい。
キミからの返事を待ってるよ。
─────『言葉にできない』
一人暮らしをして数年
ちょこちょこ家族と連絡を取っているが
少しの間実家に帰ることになった。
姉が子供を連れて帰ってくるらしい
せっかくだからみんなで集まろうと言う話になった。
家族と会うのは久しぶりで少し気分が上がった。
最近は暖かくて過ごしやすくなったと思いながら
車を走らせる。
信号の横にたつ木々が桜色で綺麗だと思った。
風に乗って流れる花びらも
ずっと見ていたいと感じるほど幸せな気分になった。
玄関先で「ただいま」と言うと
母さんが「おかえり」と出迎えてくれた。
「もうみんな来てるわよ」
俺が1番最後だったらしい。
そういえば玄関も靴で溢れていた。
父や姉、祖父母などに挨拶をして
ゆっくりすることにした。
暫らく寛いでいると袖を引っ張る姉の子がいた。
なんだか俺は懐かれているらしい。
「どうした?」
「これ、一緒に見たい」
そう言って俺に昔のアルバムを差し出してきた。
「いいよ。こっち来るか?」
「うん!」
俺の足の間に座らせてアルバムを眺めた。
ページをめくると春爛漫を楽しんでいる
小さいころの俺と姉がポーズを決めてる写真を見た。
「これ、何してるの?」
「お花見してる写真だよ」
「お花見したい!」
小さな君の願いが叶えたくなって
俺と一緒に散歩に行くと言って外に出た。
ちょうど桜は満開であの写真と変わらない
景色が広がっていた。
キミが喜んでいる姿を写真に撮りながら
俺ものんびりとした散歩を楽しんだ。
最近、移動で歩くことが少なくなって来て
車移動がメインになってきたぶん
外の景色が新鮮でふわふわとした気分になった。
年の離れたキミとの会話も新鮮で楽しく感じた。
来年もまた皆と集まりたいとそう感じた。
─────『春爛漫』
どれだけ他の人が優れていても
誰よりも、ずっと
私は私を愛していきたい
─────『誰よりも、ずっと』
これからどうしよう?
もう居場所なんてない
そう思ってた。
だけどキミだけは違った
「ありがとう。居場所を残しといてくれて」
この言葉にキミは笑って
「おかえり」
そう言ってくれた。
嬉しかった。
キミもみんなと同じように
僕のことをいないように扱うのかと思ってたから
もしキミがこれからも、ずっと
そばにいてくれるなら
今みたいに「おかえり」って言って
待ってて欲しい
─────『これからも、ずっと』