木弓るん

Open App
9/14/2024, 2:03:33 PM

命が燃え尽きるまで

あの日、私は貴女に忠誠を誓った
形式的なものではない
私個人の感情だ

貴女は優しい人だ
時に自分の犠牲も顧みないほどに
だから私は貴女のことを守りたいと思った
優しさ故に、苦しみを背負い込む人だから

貴女は優しいから
皆に逃げてくれ、生き延びてくれと言う
そんな願い、私はきけない
貴女のいなくなってしまったら
私が生きる価値もなくなってしまうから

同じように集まった同志たちと
目配せして前に出る
私たちは必ず貴女をお守りする
命が燃え尽きるまで
貴女と共に生きる

9/13/2024, 2:34:58 PM

夜明け前

不意に目が覚めて、眠れなくて
薄暗い空を見上げる

明けない夜はない
なんていうけれど
こうして過ごす夜は長くて
苦しい気持ちになる

夜が明ければ楽になれるだろうか
溜め込んだ気持ちがリセットされて
清々しい気分になれるだろうか

時が来れば夜は明ける
なのに寝直す気にもなれず
何かをする気にもなれない

ただただ空を見上げて
何も考えずその時を待つ

9/12/2024, 2:27:21 PM

本気の恋

恋なんて、ゲームのようなものだろう
そう思ってきた
幸いにも容姿には恵まれていたから
自分の周りには常に構ってくれる人がいた
毎日程度に遊んでもらって
楽しく暮らしていければそれでいい

そう、思っていたのに

君は僕の眼の前に突然現れた
今までに出会ってきたどんな人とも違う
優しいけれどベタベタしてこなくて
言いたいことがあればずばっと言って
僕に媚を売ったりすることもなく
自然にそこに存在していた

ゲームのつもりで近付いた僕は
すっかり君にノックアウトさ
こんな気持ち、生まれて初めてで
どうしたらいいんだろう

僕の本気、君にぶつけていいかな

9/11/2024, 1:48:04 PM

カレンダー

暑かった夏もそろそろ終わり
ようやく涼しくなってきた季節
立ち寄ったお店でカレンダーが並んでいた

もうそんな時期なんだな

時の流れの早さにびっくりする
年が明けたと思ったら
春が来て、夏が来て
もう来年のお話だ

この間まで
早く夏終わってくれなんて
思っていたのに

家にはカレンダーをかけられそうな壁がないから
どうせ冷やかしになっちゃうんだけど
ついついひとつひとつ見てしまう
流行りのキャラもの、きれいな風景の写真
鉄板の動物もの…
見ていると楽しくなってくる

来年なんてまだまだ先と思っていたけれど
これはあっという間に来そうだ

9/10/2024, 2:18:19 PM

喪失感

あの時はただただ混乱して
自分の感情なんてわからなかった
周りが騒いでいるのを
意外と冷静に眺めていたものだった

だけど、周りが徐々に落ち着いてきて
日常を取り戻すにしたがって
心に穴が空いてしまった自分に
気がついてしまったんだ

僕の日常の中に、確かにいた君
鞄の中をひっくり返す度
帰り道のオレンジ色の空を見上げる度
ふとした瞬間に君を思い出して
胸が苦しくなる

今はもう、どこにもいない君
この、空虚な心を埋めてくれるものは
どこにあるのだろうか

Next