命が燃え尽きるまで
あの日、私は貴女に忠誠を誓った
形式的なものではない
私個人の感情だ
貴女は優しい人だ
時に自分の犠牲も顧みないほどに
だから私は貴女のことを守りたいと思った
優しさ故に、苦しみを背負い込む人だから
貴女は優しいから
皆に逃げてくれ、生き延びてくれと言う
そんな願い、私はきけない
貴女のいなくなってしまったら
私が生きる価値もなくなってしまうから
同じように集まった同志たちと
目配せして前に出る
私たちは必ず貴女をお守りする
命が燃え尽きるまで
貴女と共に生きる
夜明け前
不意に目が覚めて、眠れなくて
薄暗い空を見上げる
明けない夜はない
なんていうけれど
こうして過ごす夜は長くて
苦しい気持ちになる
夜が明ければ楽になれるだろうか
溜め込んだ気持ちがリセットされて
清々しい気分になれるだろうか
時が来れば夜は明ける
なのに寝直す気にもなれず
何かをする気にもなれない
ただただ空を見上げて
何も考えずその時を待つ
本気の恋
恋なんて、ゲームのようなものだろう
そう思ってきた
幸いにも容姿には恵まれていたから
自分の周りには常に構ってくれる人がいた
毎日程度に遊んでもらって
楽しく暮らしていければそれでいい
そう、思っていたのに
君は僕の眼の前に突然現れた
今までに出会ってきたどんな人とも違う
優しいけれどベタベタしてこなくて
言いたいことがあればずばっと言って
僕に媚を売ったりすることもなく
自然にそこに存在していた
ゲームのつもりで近付いた僕は
すっかり君にノックアウトさ
こんな気持ち、生まれて初めてで
どうしたらいいんだろう
僕の本気、君にぶつけていいかな
カレンダー
暑かった夏もそろそろ終わり
ようやく涼しくなってきた季節
立ち寄ったお店でカレンダーが並んでいた
もうそんな時期なんだな
時の流れの早さにびっくりする
年が明けたと思ったら
春が来て、夏が来て
もう来年のお話だ
この間まで
早く夏終わってくれなんて
思っていたのに
家にはカレンダーをかけられそうな壁がないから
どうせ冷やかしになっちゃうんだけど
ついついひとつひとつ見てしまう
流行りのキャラもの、きれいな風景の写真
鉄板の動物もの…
見ていると楽しくなってくる
来年なんてまだまだ先と思っていたけれど
これはあっという間に来そうだ
喪失感
あの時はただただ混乱して
自分の感情なんてわからなかった
周りが騒いでいるのを
意外と冷静に眺めていたものだった
だけど、周りが徐々に落ち着いてきて
日常を取り戻すにしたがって
心に穴が空いてしまった自分に
気がついてしまったんだ
僕の日常の中に、確かにいた君
鞄の中をひっくり返す度
帰り道のオレンジ色の空を見上げる度
ふとした瞬間に君を思い出して
胸が苦しくなる
今はもう、どこにもいない君
この、空虚な心を埋めてくれるものは
どこにあるのだろうか