つまらないことでも
君の話を聞こう
毎日の習慣、昨日のできごと
楽しい話ばかりじゃなくたっていい
面白おかしく脚色しなくていい
ありのままの君の素直な話がききたい
君にとってそれがつまらないことでも
僕にとっては大切な君の話なんだ
目が覚めるまでに
君の目が覚めるまでに僕はここを出ていく
全てのものを置いて手紙だけを残して
目が覚めた君はきっと泣くだろう
混乱して僕のことを探そうとするだろう
でも大丈夫だよ
君は強い人間だから
元々の生活に戻るだけだから
こんな僕を拾ってくれてありがとう
きちんと別れを告げられなくてごめんなさい
君に引き止められたら
僕は揺らいでしまうから
だからどうかまだ目が覚めないでいて
病室
白い壁に囲まれた消毒液のにおいがする部屋で
君が眠っていた
痩せて骨ばった細い腕を取っても
点滴のチューブが揺れるだけで
君はなんの反応も示さない
君はずっと眠っていた
僕が知らない間に
探して探してやっと見つけた君が
こんなことになっているなんて
僕に何ができるだろう?
僕はどうすればよかったのだろう?
白い病室で
僕は自分自身を責め続けることしかできなかった
明日、もし晴れたら
一緒にお出かけしない?
毎日雨続きで、諦めてたんだけどさ
やっぱり青い空眺めて
おいしい空気を吸って
君とのんびり過ごしたいな
洗濯しやすいTシャツじゃなくて
お気に入りの白いワンピースが着たい
靴だって新しいサンダルを出したい
めいっぱいのおしゃれをして
君に見てほしいんだ
明日、もし晴れたら…
いや、絶対に晴れるからさ
だから、一人でいたい
談笑の輪の中
同じ空間にはいるのに
その中に入れない
いつだって居心地悪く
一人ちまちまと箸を動かす
輪の中に入れるような話題なんて
持ち合わせていないし
僕に話題を振ってくれる
そんな人もいない
どうしてここにいるんだろう
大勢の人がいるところこそ
孤独を感じる
早く帰って好きなことして
一人でゆっくり過ごしたいな