木弓るん

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7/30/2024, 3:09:46 PM

澄んだ瞳

君はまっすぐに僕を見つめてくる
一点の曇りもない無垢な澄んだ瞳で
僕は見透かされている気がして
君を見ることができない

君の綺麗な瞳の中に
僕なんかを映してほしくない
僕は悪い人間なんだ
君に邪な想いを抱いている

だけど
そんな僕の想いなんか気付いていないのか
気付いていないふりをしているのか
君はいつも無邪気に僕を見つめてくる

7/29/2024, 2:54:53 PM

嵐が来ようとも

天気予報による知らせに
急ピッチで対処に追われる
外に出ている物は中に仕舞い
窓が割れぬよう木を打ちつける

不安そうにその様子を見つめる
幼い姉妹の頭を撫でて
奥の部屋に行くように促す

今まで経験したことのない
大きな嵐が来るらしい

今は風は凪いでいて
そんなこと信じられない気持ちもある
だけど万全にしておかなければ
家族のことは
自分が守らなければならないのだから

7/28/2024, 3:29:37 PM

お祭り

遠くからお囃子の音が聞こえる
今日はどうやら年に一度の
大きなお祭りの日らしい

お囃子に惹かれて外に出れば
山車が練り歩いているだろうし
ちょっと歩いた先の公園では
出店が軒を連ねているだろう

まぁ、独り身の自分には関係ない
一緒に祭りに繰り出す友人もいないし
そもそも人混みは苦手だ

だけど

今日の夜は焼きそばにでもしようかな

ついつい気持ちが浮かれてしまう
そんな自分もまた、存在している

7/27/2024, 3:38:50 PM

神様が舞い降りてきて、こう言った。

君はまだ、ここに来るのは早い。

私は無知だったからその意味がわからなかった
私は無能だったからその言葉に混乱した

私は、ここでも必要とされていないのか

だけど全てが終わった今ならわかる
神様は全て知っていた
私が生きなければならなかった意味
私にも人のためになる才があったこと

だから再び舞い降りてきた神様に
私は微笑みかけた

あの時はありがとう
今こそ、貴方の元に行きます

7/26/2024, 2:17:20 PM

誰かのためになるならば

清めた身体に綺麗な着物を着せてもらう
少し頭はぼんやりしていて
上手く表情を作ることはできないけれど
私は幸せだった

両親はすでに他界していて
私自身の器量は全く良くなくて
村の人々に迷惑をかけてばかりだった

そんな私でも誰かの役に立てることがある
今はそれがたまらなく嬉しい

綺麗な格好をさせてもらって
美味しいご飯を食べさせてもらって
私は満足だった

この籠の中に入れば
もう戻ってくることはないけれど
誰かのためになるならば
それはとても嬉しいことだった

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