鳥かご
私の部屋には鳥かごがある
窓辺でゆらゆらと揺れる鳥かごは
からっぽで主はずっと不在
かつてはここに住んでいた
黄色い羽の小さな鳥
私にとても懐いていて
だから油断してしまった
ちょっとした不注意で
いつの間にかあの子は大空に消えていった
もう戻ってくることはない
わかっていても
私は毎日窓を開けて鳥かごを揺らして
あの子が帰ってくるのを待っている
友情
俺とお前は腐れ縁
幼稚園時代からずっと一緒
性格も好みも全然違うけれど
不思議と俺たちはずっと一緒だった
当然家も近い俺とお前
お互いの家を行き来して
家族もみんな俺たちのことを知って
たまに一緒にご飯を食べたり
内向的でゲームばっかやってる俺と
運動神経が良くて人気者のお前
当然つるんでる友達は違って
あんまり頻繁に遊ばなくなった
だけど社会人になった俺たちは
たまに一緒に飲みに行ったりしている
お互い他に誘うほどの相手がいないのか
これが本当の友情というものなのか
花咲いて
ちらほらと
花壇に植えられた花が開いてくる季節になった
君はこの庭に咲く花が大好きで
この季節になると
いつも庭の真ん中で花を眺めていた
今はもうこの庭に花を見に来る者は
いなくなってしまったけれど
僕は庭の手入れを欠かさない
花が咲く季節がくれば
また君が来るのではないかと
そんなことを思ってしまうから
丁寧に手入れしてきた庭は
花咲いて綺麗に輝いている
だけどこの庭には
もう僕以外誰もいなくなってしまった
もしもタイムマシンがあったなら
君は何を見る?何を知りたい?
曖昧に伝わっている歴史の真実
これから起こる遠い未来の運命
何だって見れるし
知ることができるとしたら?
もしも歴史を変えることができたら
未来を変えることができたら
君は何をどう変えるのだろうか
僕には何もビジョンはないけれど
君と僕が幸せになれればいいかな
もしもタイムマシンがあったなら
僕たちは今より幸せになれるかな
そんなこと考えるより
今を精一杯生きた方がいい
そんなことくらい
わかっているんだけれどね
今一番欲しいもの
何か欲しいものある?
そう聞かれるたびに困ってしまう
家に余計な物を増やしたくないし
昔に比べて余裕ができたから
今は欲しいもの大体手に入っている
そんなこと言ったら妬まれるかな?
でも私は自信満々に言うよ
今一番幸せだから
みんなが居てくれるから
そうやって、欲しいものを聞いてくれる
キミが居てくれるから
今一番欲しいもの
みんなが幸せでいてくれることかな