木弓るん

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7/15/2024, 2:34:18 PM

終わりにしよう

そう決めたのは何時だっただろうか
どうしてだっただろうか

終わりの見えない日々に
飽き飽きしていたのかもしれない
単純に新しいことを見つけたかった
そうかもしれない

終わりにすることは
新しいことの始まり
だから前を向いて、自信を持って
決めたんだ

終わりにしよう

7/14/2024, 2:39:06 PM

手を取り合って

少女は無邪気に手を差し出した
少年は少々照れくさそうにためらう

けれど少女は差し出した手を引っ込めることなく
静かに待っていた
少年はそんな少女の表情を見る
笑顔で頷く少女の手に
少年は意を決して自分の手を重ねた

手を取り合って歩く通学路
夕陽が二人の影を長く伸ばしていた

7/13/2024, 3:33:16 PM

優越感、劣等感

いつだって自分は劣っている人間だと思っていた
周りからできない子だと言われ続けていたし
実際、運動だって勉強だってできていなかった

だから急に持ち上げられて調子に乗ってしまった

知らない世界で
周りの人はみんなリアルの僕を知らない
すごいね、上手いねって急に言われて
こんな自分にも得意なことがあったんだって
ようやく自分のこと
少しは好きになったような気がしていたんだ

だけどリアルの周囲は僕のこと
何も理解してくれなくて
僕の世界は取り上げられ、壊されてしまった
僕はまた自分のことが嫌いになってしまった

7/12/2024, 2:23:40 PM

これまでずっと

その光景を見て愕然とした
閉め切られたカーテン
あちこちがほつれて丸められた布団
食べ物の容器が散乱したテーブル

これまでずっと
君はこんな空間で生きていたのか
誰にも気にされることなく
誰のことも知ることもなく

無力を感じていただろう
でも誰にも言えなかった
誰も助けてなんてくれないから

この部屋にあったのは静かな絶望
この空間で君は
少しづつ壊れていってしまった

7/11/2024, 3:21:28 PM

1件のLINE

不意に部屋に響き渡る通知音にびくっとなる
自分のスマホに通知がくることなんて
ほとんどないから

アプリも必要最低限しか入れていないし
LINEだって必要最低限
周りにあんまりにも言われるから入れただけ
そして連絡先を交換したところで
結局誰からも連絡がくることなんてなかった

だから少し緊張しながらスマホを手に取った
こんな自分に連絡してくるなんて
悪い連絡に決まっているのだ

先のことなど誰にもわからないけれど
この1件のLINEが自分の運命を変える
そんな気がしていた

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