木弓るん

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6/5/2024, 11:49:22 AM

誰にも言えない秘密

穏やかな寝息を立てる君の髪を撫でて
静かにベッドから抜け出す

別れの挨拶も、再会の約束も
俺にはできなかった

この夜が明ける前に俺は隣国へ渡る
この国で手に入った情報を持って

俺はとんでもない裏切り者だ
こちらにも、あちらにも
俺の居場所なんてない

だからうっかり優しくしてくれる
君の隣に居場所を求めてしまった
いけないことだとわかっていたのに

全ては俺の、俺だけの罪
いつかは報いを受けるのだろう
もう君を巻き込むわけにはいかないから
全てを秘密にして、俺はこの部屋を去る

6/4/2024, 10:40:12 AM

狭い部屋

ワンルームの僕の部屋は正直ちょっと
いやかなり狭い
ベッドを取り囲むように棚を設置して
机の奥にはテレビとモニター
手前には液タブとタブレット
置けるだけ置いたフィギュアたち
壁には1面のポスター
ベッドにはぬいぐるみ
僕の部屋は物がたくさんで狭い
だけど
好きなものだけを集めた
最高の狭い部屋なんだ

6/3/2024, 10:48:58 AM

失恋

恋の終わりはいつだって突然
恋人がいることがわかったり
好きな人がいることがわかったり
始まることもなく
僕の恋は終わっていく

今回だって数多くの
始まることのなかった恋のひとつだ
なのにどうして
こんなにも心が苦しいのだろう

思い上がっていた自分が恥ずかしいのか
本当に君に惹かれていて
諦めきれないのか
明日からもう君に会えない
君を見てしまうと
未練で胸がいっぱいになってしまうから

6/2/2024, 12:53:55 PM

正直

君の正直な気持ち、聞きたいんだ
いつだってのらりくらりとかわされて
焦らされて
僕はいつも気が気じゃない

君は時々話に嘘を混ぜてくる
特に気持ちに、主観で思っていることに
君が自分に正直になることが苦手なこと
気付いているんだ

僕の正直な気持ち、言ってもいいかな
君は知りたくないかな
だけど正直
僕は自分の気持ちに向き合いたいんだ

君のこと、放っておけないから
君のこと、大好きなんだから

6/1/2024, 2:03:21 PM

梅雨

私は梅雨というものを知らない

この時期に雨が降ると
ああ、これが蝦夷梅雨というものなのだろうか
そんなことを思ったりもするけれど
結局翌日にはからりと腫れていたりして

内地の人たちにとって
それはうらやましいことなのだろう

ジメジメした日が続かなくて
気を抜くと家の中がカビだらけなんて
そんなことにもならなくて

どんなにここで雨が降ろうとも
遠くで暮らすあなたにとって
それは梅雨とは呼べるものではない

うらやましく思われるけれど
私は少しさみしくもある

あなたと同じ気候を
共有することができないから

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