たった1つの希望
君は僕の希望だ
僕がどんなに落ち込んだ時も
道に迷った時も
優しく包み込み、道を示してくれる
今だってそう
全てを無くした僕の前に
君だけがいて
僕に笑いかけてくれる
君は僕にとって
たった1つの希望なんだ
欲望
あれが欲しい、これも欲しい
欲深いことは罪なのでしょうか
あれがしたい、これもしたい
欲望のままに行動することは
いけないことなのでしょうか
何もかも手に入れようとしたから
罰が当たったのでしょうか
今はただ生きていたい
あなたとずっと一緒にいたい
それさえも、欲深いことでしょうか?
列車に乗って
なんの予定も立てずにただ飛び乗った
特に目的も持たぬまま僕の旅が始まった
流れていく車窓からの景色は
徐々に見知った建物がなくなっていき
知らない風景へと誘う
少しだけ窓を開けてみれば
湿り気を帯びた香りが鼻腔をくすぐる
この先に何が待っているだろうか
どこまで行けるだろうか
列車に乗ってどこまでも遠くへ行きたい
遠くの街へ
最後に、日用品を仕舞った段ボールに封をする
これで後は引越し業者が荷物を取りに来れば
私達も発つことになる
誰も知っている人のいない、遠くの街へ
不安がないかと言えば、そんなことはない
住みやすい土地だろうか
近所の人たちは良くしてくれるだろうか
だけど、わくわくする気持ちもある
あなたと二人、手と手を取り合って
新しい暮らしを始めるのだから
現実逃避
瞳を閉じる
それだけで別の世界へ飛べる
高い空に飛び上がって
知らない街を一望する
遠くに君の姿を見つけた気がして
だけど今はまだ向き合いたくないから
そっとその存在を自分の世界から消す
この世界では何もかも思い通り
好きなものを見て
好きなことをして
嫌なことから目を背ける
そう
僕は今、嫌なことから逃げている
いつかは立ち向かわなきゃならない
だけど今は、今だけは
全て忘れていたい
いつか立ち向かうその日のために