0からの
僕には、何もない
全て失ってしまった
大事にしていた宝物も
今までの楽しかった生活も
大好きな君も……
どんなに当たり前と思っていても
失う時は一瞬だ
身を持って知った
だけどね
こんな僕でも
手を差し伸べてくれる人がいたんだ
僕を、必要としてくれているんだ
だから前に進んでもいいよね
0からのリスタート
見守っていてね
同情
ちょっと聞いてよ
いつも君はそう言って
手間のかかるカレシのことを愚痴ってくる
やれ気が利かない
だらしがない
すぐ寝坊して待ち合わせに遅れる
あいつ、ひどいよね
そう言うけれど
僕は同情できない
だってそれでも君は
あいつのこと好きなんだよね
聞いてよ……
いつもと違うトーンで君は
僕を呼び出して話を切り出す
振られたんだ
別れようって
私の何が悪かったの
私、可哀想だよね
そう言うけれど
僕は同情できない
だって僕はずっと
君のこと好きなんだから
枯葉
色褪せて、落ちてしまったそれを拾い上げる
見上げると大きく枝を広げた樹木
着飾っていた葉はほぼ全てが役目を終えたらしく
枝に残っているものは少ない
落ちてしまったものは
本当に役目を終えてしまったのだろうか?
もしかしたら
枯れて、土になって、樹木に栄養を与え
また枝葉になるのかもしれない
命は巡り行く
だから決して、終わりなどではない
そう、思いたい
今日にさよなら
準備はできてる?
カバンの中身
着る予定の服
朝ご飯の下ごしらえに
目覚ましのセット
思い残しはない?
読んでおきたかった本
片付けようと思っていた机
体調を整えるための運動
ストレスを発散するための遊び
全部やるのは無理だったよね
ま、仕方ない
やれることはやったから
あとは明日の自分にお任せ
頑張って疲れた今日にさよならして
新しい明日に行こう
お気に入り
私のお気に入りのあなた
いつもちょこちょこ私の後をついてくる
小さくて可愛いあなた
可愛いからおそろいのリボンとかつけて
いつも一緒に過ごした
あなたは私のお気に入り
いつまでも一緒にいようね
僕のお気に入りの君
大好きだったからいつも君を追いかけていた
だけど僕はもうそんなに可愛くはないから
今度は君に首輪を付けて
いつも側に置いておくね
君は僕のお気に入り
いつまでも一緒にいるよ