木弓るん

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12/24/2023, 3:24:55 AM

プレゼント

華やかに彩られた店内に並べられた
色とりどりの雑貨たち
楽しそうな雰囲気につい足が向かっただけ

なのに気が付いたら
君のことを考えている
君に似合う色、君に似合う香り
君の驚く顔、喜ぶ声

別に特別な日だから渡すわけじゃないんだ
ただ、お店でこういうものを取り扱うのが
すごく多い季節だから
目に止まっただけなんだ

人の良い君のこと
こんな季節だから
君も何かを選んでいるのかもしれない
だけど気にしなくてもいいんだ

僕にとっては
君の笑顔が一番のプレゼントなんだから

12/22/2023, 12:48:07 PM

ゆずの香り

お風呂上がりの君から柔らかな柑橘の香りがした
そうか、今日は冬至か
君と入れ替わりで浴室の戸を開ける

お互い貧乏の同棲生活
広い檜風呂にぷかぷかと浮かぶゆず
なんてことはなくて
足を伸ばすのもやっとの小さなユニットバスに
恐らくは近所のスーパーで買ったであろう
入浴剤が溶けた黄色のお湯が張ってあった

そうはいっても
浸かれば幸せのひとときで
暖かなお湯と優しい香りが
一日の疲れを癒やしてくれる

そうしてお風呂から上がれば
君とお揃いの香りになった僕がいる

12/21/2023, 11:23:12 AM

大空

人は何故空を見上げるのだろう
嬉しいとき、悲しいとき
誰かを想うとき

大空はただ青く、広く
何もかも包みこんでくれる

青さに飲み込まれ
溶けていきそうだけど
私たちはこの大空に飛び立つこともできず

ただ
空を見上げ
思いを馳せるのみ

12/20/2023, 11:29:46 AM

ベルの音

遠くからベルの音が聞こえる
何を告げようとしているのか
何を呼んでいるのか
ここからではわからないほど微かな音

その音は遠いけれど澄んでいて
不思議と惹きつけられる
もしかしたら
呼ばれているのは私なのかもしれない

だから私は準備もそこそこに家を出る
ベルの音に導かれて
何かを求めて
雪の降る町を歩き出す

12/19/2023, 11:22:06 AM

寂しさ

夜空を見上げ息を吐く

いつも賑やかにしているけれど
変わらないフリをしているけれど

急に寂しさがこみ上げてくる

どんなに笑ったって
どんだけ怒ったって

君がいない事実は変わらない

今日も夜空を見上げる
君が好きだと言っていた
冬の星座が瞬いている

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