鏡の中の自分
自分の顔が嫌いだ
薄い眉、一重の瞳、中途半端な位置のほくろ
毛穴汚れも気になるし
そろそろ染みも目立ち始めてきた
だから、全てを塗りつぶすの
何もかもわからなくなるくらいに
そうして新しい顔を創る
きりっとした眉に華やかなアイシャドウ
鏡の向こうの自分に
自然と笑顔がこぼれる
生まれ変わった自分と
お出かけする時間だ
眠りにつく前に
まだまだやりたいことがたくさんあるんだ
デイリーのログポもまだだし
読みかけの本の続きも気になる
台所にはまだ洗っていない食器が散乱してるし
明日のお弁当の仕込みもできていない
何より
探しものをするのにひっくり返したあれこれ
何も考えずにベッドの上に置いちゃった
そして探しものも結局見つかっていない
まだまだやらなきゃならないことが山積みだ
なのに時計の針はとっくに0時を回っていて
当然明日も朝は早い
めちゃめちゃ眠たい
何をすればいい?
眠りにつく前に
最低限何を…すれば…
永遠に
ずっと一緒にいよう
そんな約束をしたこともあったっけ
だけど
別れはあまりにも早くて
私は長い時間を
ひとりで過ごすことになった
他に縁がなかったわけでもないけれど
君のことを忘れられなかったんだ
だから
もう一度約束させてくれないか
私ももうすぐそちらに行けるから
これからはずっと一緒だ
永遠に
理想郷
そんなもの、存在するのだろうか
存在するとしたら、どんなものだろうか
望むものは贅沢?
高級食材をふんだんに使ったご飯
箔押しのラベルがついた年代物のワイン
丁寧に意匠をこらされた調度品
そんなもの、三日で飽きてしまうかな
望むのは、自由と平和
みんなが笑って楽しく暮らせる世界
そんなこと、かなわないから
理想郷っていうのだろうね
懐かしく思うこと
トンネルを抜けると、広がる海
途端、磯の香りと共に懐かしい感覚
何十年も帰っていなかった故郷だけど
身体はきちんと覚えているらしい
寄せて返す波
遠くで見守ってくれる祖母
一緒に綺麗な貝殻をみつけて
はしゃぐ君と僕
いざ風景を前にすると
次々と鮮明に思い出せる
懐かしさに、胸が締め付けられる
もう二度と、思い出には戻れない