きらめき
部屋の電気を消すと
そこは君だけのきらめきの世界
それは君の輝きであり
生命そのものなのかもしれない
集まってくれた人たちの
暖かい声援を受けて
君はそっときらめきを吹き上げる
暗くなった部屋に
更に大きくなる声と拍手
今日一番きらめいているのは
今日の主役の君に決まっている
誕生日おめでとう
些細なことでも
朝ごはんは何を食べてきたの?
服や化粧品はどこで買っているの?
暇な時は何をして過ごしているの?
僕は君のどんなに些細なことでも知りたい
髪を切ったんだわかるかな?
昨日のドラマに影響を受けた服装なんだ
あと、僕は君のことがとても好きだよ
君に僕のどんな些細なことでも気づいて欲しい
一緒に遊びに行きたい
たくさん話をしよう
僕と君の些細なことをたくさん語りたいんだ
心の灯火
うちひしがれた気持ちだった
周りにいる人達はみんなすごくて
自分なんかがわざわざ苦労して
ものを創る必要なんてないんだと思った
なのに何故だろう
気が付くとペンを取っていた
どうせみんなにはかなわない
すごいものなんて作れない
わかっているのに止められなかった
たとえどんなにうちひしがれようとも
自分に自信がなくても
この情熱は、心の灯火は
たしかに灯っているのだろう
開けないLINE
ぴこん
遠くから通知音が聞こえる
誰からか、何の用なのか
知っている
知っているから、開けない
ぴこん
私のこんな気持ち
とっくに知っているのだろう
畳み掛けるように通知が来る
だけど私は動かない
動けない
今はまだ、そっとしておいてほしい
遠くに置いたスマートフォンに
手を伸ばすこともなく
私は静かに目を閉じた
ぴこん。ぴこん
何度か通知音が聞こえていたが
やがて静寂が訪れた
不完全な僕
いつも感じる感覚がある
それは例えるならば
鳥にくちばしがないとか
魚にうろこがないとか
いちばん重要なものではないのだけれど
何か足りない感じ
僕はいつだって何かが欠落している
何かが足りていない
でも、何が足りないのだろう
わからない
もしかしたら、わからないことが欠落なのかも
わからないことがわかったら
僕は完全になれるかな
足りないものを埋めることができたら
僕は幸せになれるのかな
だけど
不完全だからこそ
幸せなこともあるのかもしれない