木弓るん

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8/30/2023, 12:54:52 PM

香水

街角でふと感じた香りに振り返る
懐かしい、でも決して忘れることのない
だけど、どんだけ辺りを見回しても
君は見つからない

爽やかだけどほんの少し甘い
君が毎日まとっていた香り
君を抱きしめた後には
僕にも少しその香りが移って
穏やかで、幸せな気持ちになれたんだ

だけど君はもう僕のそばにいない
あの時にはあった微かな残り香も
月日とともに薄れて
今はもう、どこにも感じなくなってしまった

懐かしい、忘れがたいあの香り
君に会いたい君を見たい
だけど、無常にも一度は捉えた香りは
霧散してもう二度と捉えられなかった

8/29/2023, 11:24:56 AM

言葉はいらない、ただ・・・

たくさん、話したいことがあった
言いたいこと、聞きたいこと
たくさん、あったはずだった

なのに

いざ君を目の前にして
何も言葉がでてこなくて
君を見つめたまま口をぱくぱくさせてて
ただの不審人物だった

だけど

そんなのは、君も同じだったみたいで
少しだけ首をかしげて僕を見て
微笑みを浮かべながらも
何度も口を開きかけては言葉を選んでいる

そっか

言葉なんて、必要なかったんだ
だから今はただ
強く強く、君を抱きしめる

8/28/2023, 10:37:58 AM

突然の君の訪問。

明け方のチャイム
扉を開けると君がいた
どうして、どうして…どうして?
君が訪ねてくることなんて
今まで一度だってなかったじゃない?

びっくりする僕を横目に
上がり込もうとする君
待って、まって、まって!!!
来客が来ることを想定していない
僕の部屋は人にはお見せできないんだ

慌てる僕を見て
可笑しそうに、いたずらっぽく君が笑う
なんで?どうしたの?何しに来たの?
疑問で頭がいっぱいの僕に
君は後ろ手に持っていた袋を出したんだ

誕生日おめでとう!
今日は私が掃除してご飯を作るね!

8/27/2023, 10:50:26 AM

雨に佇む

いつもは人でごったがえす道も
今日はまばらで
たまに通る人たちも
足早に先を急ぐ

外は暗く不思議に静かで
時間の感覚も
この世に存在しているのかさえも
曖昧になる

立ち尽くす身体は
もはや傘も意味をなさないほど
濡れているけれど
まだ諦める気にはなれない

8/26/2023, 10:33:46 AM

私の日記帳

可愛いノートを見つけたの
ピンクに箔押しされた表紙も素敵だけれど
さらっとした手触りがたまらない

ちょっとお高いなって思ったけれど
この子に日記を書こうと思うの

飽きっぽい私でも
こんなにときめくノートなら
きっと続けられると思うんだ

お引越しの荷造りをしてて
最初のページにそう書かれたノートを見つけた
三ページくらい日記が書いてあって
その後は真っ白なノート

飽きっぽい私は
そこで日記帳のことなんてすっかり忘れていた

どうしようかな

逡巡して、やっぱりノートを箱に詰める
高かったからもったいないし
やっぱり可愛い

引っ越してからまた日記をつければいいよね

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