誰かのためになるならば
みっともなく許しを請う男に
俺は情け容赦なく刃を振り下ろした
幾度となく悪事を重ね
たくさんの人々から恨みを買った罪人の
あっけない最期
人を裁けば裁くほど
この手は闇に汚れていく
いつかは自分も
罪人として裁かれる日がくるのかもしれない
だけど
この罪も
誰かのためになるならば
甘んじて受け入れよう
鳥かご
部屋の片隅に吊るされた鳥かご
中身はもうずっとからっぽだ
それなのに
毎日掃除をしてお水を変える
時に、飾りつけをしてみたりする
帰ってきてほしい
切なる願いが叶うことはなく
今日もからっぽの鳥かごと共に
からっぽの一日を過ごす
友情
放課後の公園で、毎日時間を忘れて遊んだ
あの頃の僕たちは
この日常が永遠に続くと信じて疑わなかった
知らなかったから
世の中は変わっていくもので
僕たちの日常も変わっていくものだと
いつの間にか
僕たちは公園に足を運ばなくなったし
連絡先も、わからなくなっていた
忙しかったから
他の付き合いも大事だったから
そんな言い訳をし続けているうちに
声をかけにくくなっていったんだ
こんな僕でも、友だちと思ってくれるかい?
僕は今でも、たまに思い出すんだ
ここで待っていたら、会えないだろうか
空白の時間なんてなかったかのように
他愛のない話ができるだろうか
友情は永遠だって、信じていいのだろうか
花咲いて
道ばたに咲く小さな名前も知らない花
君は目ざとく見つけて
駆け寄って、話しかける
やっと咲いたんだね
きれいだねって
僕の中では、そんな君は
いつだって花咲いたように
可憐で、華やかで、明るさをくれるんだ
もしもタイムマシンがあったなら
どうして、こんなことになってしまったのか
これから、どうなってしまうのか
わからない
先がよめない
もしも
もしも、過去に行くことができたら
今の状況を変えることができるだろうか
わからない
自分では、何もできないかもしれない
もしも
もしも、未来に行くことができたら
今何をするべきか、わかるだろうか
わからない
自分には、そんな力はない
わかっている
全ては、自分の未熟
だけど
どうしても
もしもを考えてしまう
もしもタイムマシンがあったなら
自分の人生が良いものに変えられるのではと…